最も小さな間違いであっても、害があるという事を見通したならば、
あなたは、貪・瞋・痴を断ずる事に、勇猛果敢に、精進しなければ
ならない。
小さな間違いなんて大したことはない、などと思ってはいけない。
というのも、どのような小さな悪業であっても、いずれあなたをして、
菩薩道から乖離させる事ができるから。
例えば、ディバダッタは、彼の前世の中で、一度は我々の菩薩の友人
であったことがある。彼ら両人は、共に菩薩道を修することを発願
した。しかし、その後の、もう一つ別の世において、未来のディバ
ダッタは、一つの金の茶碗のことで、我々の菩薩に恨みを懐いた。
その瞋恚と怨恨の心は、彼をして菩薩道から乖離させることに
なった。が、その後に、彼もまた仏陀から、最終的には、
辟支仏(paccekabuddha)になれる、という授記を得たのである。
最後に、あなたは、常に、解脱、すなわち、最終的な目標である
涅槃に、心をして傾倒させるようにするべきである。
ただこのように、心をして、仏果に導き、向かわせることに
よってしか、あなたのなした善業を、波羅蜜として計上する
ことができない。
そして、あなたがなした一切の努力のみが、あなたをして、
唯一の目標、すなわち、仏果へと導き、つれて行くこと
ができる。
今夜の法話は、これで終了です。
次回の法話も、引き続き、大菩提乗について、お話します。
(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)