Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

★飛び入り翻訳~『24縁発趣論』3-10

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

年若いKaccaññaは、急いで言った:

「おっと!

Vidhura!

七種類も、説明しなくてもよい。

私は、最初の<信念>というものさえ、理解できない。

先にその意味を説明してくれ。」

Vidhuraは言う:

「信念とは、因果業報の理を深く信じる事だ。

お前は、覚えているか?

お前が私を、馬の尻尾に結わえ付けて、馬を走らせて、私を殺そうとし、そして、その後に、馬を止めて私に聞いた:

『まだ生きているか?』

私は答えた:

『私は、いまだ元気に生きている』と。

私が死なないのは、因果業報の故にであり、この生において、業報がいまだ尽きないならば、お前が私を殺そうとしても、私は死にはしない。

私は、何時の日にかは、死ぬであろうが、それは今ではない。

愚者は、生があれば、必ず、老、病、死等の自然現象がある事を知らない。

故に、愚者は、争いを止める事ができず、恨みを持ち続け、将来においても、争いを続けるのだ。

智者は、生があれば、老、病、死などの自然現象がある事を知っており、故に争わず、争いから遠く離れ、将来においても、争いに巻き込まれる事がない。

これが<信念>の意味である。」

(3-11につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ★誤字脱字を発見された方は、

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<『24縁発趣論』スシラ・サヤレー著 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>