Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

46.

問:21世紀のこの時代に、比丘が金銭を持たないというのは、仏法を宣揚する時に、障礙になりませんか?

答:比丘が金銭を受け取らないという事は、表面的には些かの不便があるが、しかし、歴史的な事実から言えば、戒律を遵守する事は、正法を輝かせることができる。

《増支部》では以下の様に言う:

「比丘たちよ。

諸々の沙門、婆羅門には四種類の雑染がある。

ある種の沙門・婆羅門は雑染に汚染されているが故に、光輝く事なく、光明がなく、煌めきがない。

どのような四種類か?

比丘たちよ。

ある種の沙門・婆羅門は、穀物酒、果実酒を飲み、穀物酒、果実酒から離れない。

比丘たちよ。これが沙門・婆羅門の第一番目の雑染である。

ある種の沙門・婆羅門は雑染に汚染されているが故に、光輝く事なく、光明がなく、煌めきがない。

比丘たちよ。

ある種の沙門・婆羅門は雑染に汚染されているが故に、光輝く事なく、光明がなく、煌めきがない。

ある種の沙門・婆羅門は、淫欲法に従事し、淫欲法から離れない。

比丘たちよ。これが沙門・婆羅門の第二番目の雑染である。

比丘たちよ。

ある種の沙門・婆羅門は雑染に汚染されているが故に、光輝く事なく、光明がなく、煌めきがない。

ある種の沙門・婆羅門は、金銀に同意し、金銀の授与から離れない。

比丘たちよ。これが沙門・婆羅門の第三番目の雑染である。

比丘たちよ。

ある種の沙門・婆羅門は雑染に汚染されているが故に、光輝く事なく、光明がなく、煌めきがない。

ある種の沙門・婆羅門は、邪命で活き、邪命から離れない。

比丘たちよ。これが沙門・婆羅門の第四番目の雑染である

 

穀物酒、果実酒を飲み、淫欲に従事し;

諸々の愚者は、金と銀を受け取ることに同意する、

ある種の沙門・婆羅門は邪命で活きる。

仏陀日種姓が言う雑染とは、

ある種の沙門・婆羅門が雑染の為に、

光輝かず、光明なく、

愚者は不浄故塵垢にまみれる。

暗黒に覆われ、愛奴によって引導され、

恐ろしい蓆(自体、生命体)が増長し、

結果、彼らは再有(生死輪廻)を受ける。

(6-10につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-8

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

(原文P161~179は、拙訳「『偽比丘』の見分け方」と内容が重複する為に、省略)

41~44

問:南伝の比丘はアパートに住むことはできますか?

答:比丘は女性と同宿(同一の屋根を使う、同一の出入り口を使う建築物において、同一の時間に横になる事)できない。比丘と女性の同宿とは、日没後から黎明までの時間、比丘と女性が同一の時間に横になれば、犯戒になる事を言う。

また、比丘は、具足戒を受けていない者と三日間同宿できない。故に、比丘がアパートに住むのは、適切ではない。

比丘の住居は、町から離れていて、托鉢に便利な場所がよい。上に述べた関係から、出入口を女性と一緒に使う事のない様な建築物が望ましい。

故に、独立した建物か、女性と雑居することのないベントが良い。

もし、比丘が己自身から建材を請求して建屋を建てるならば、その寸法には制限がある;もし、施主が建てるのであれば、寸法に規定はない。

比丘が住まいを建てる時は、サンガコンマ(会議)が比丘を派遣して、建築場所の点検をする為、施主が建てようとする時は、先に供養をしようとする比丘と相談し、その後に(+施主が建てて)建物を布施するのがよい。

45.

問:

南伝の比丘は家具を使う事はできますか?

答:

比丘は家具を使うことはできる。比丘にベッドや椅子を布施する時、律制に合致しているかどうか気を付けて、合致していれば、比丘は使用することができる。

ベッドと椅子は余りに華美であってはならないし、その足の高さは、仏陀の八っつの指の広さを超えてはならない。ベッド、マット、蒲団には綿を詰めてはならない、など等(+に気を付ける事)。

(6-9につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-7

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

11.

問:比丘尊者に供養する時、どの様な布・衣料が、適していますか?

答:仏陀は以下の6種類の布で袈裟を作る事を許可した。

1、「khoma」(麻布)

2、「kappāsika」(綿布)

3、「koseyya」(絹布)

4、「kambala」(毛織物)

5、「sāṇa」(粗雑な麻布)

6、「bhaṅga」(混麻布)

上に述べた6種類の布以外に、これらの素材の混じった布であれば、比丘の供養に適する。

12.

問:

比丘に袈裟を供養する適切な時というのはありますか?

答:基本的に、あなた方の経済が許せば、どのような時においても、袈裟を布施する事はできる。

一般的な比丘で言えば、我々はどのような時においても、袈裟を受け取ることができる。

三衣以外の袈裟は、その他の比丘と共用する(浄施)事も出来るし、雑用に使う布(parikkhāracoḷaṃ)とする事もできる;

頭陀行を実践している比丘については、通常、彼らは雨安居が終了して、「kaṭhina」衣を布施する、その一か月に、または「施衣時」という五か月間の内に、信徒からの袈裟を受け取ることができる。

ただ、少数ながら、三衣と幾つかの小さな小布しか持たない比丘もいて、彼らが余分の袈裟を手に入れた時は、サンガまたはその他の長老に布施する様である。

(6-8につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-6

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

9.

問:

「三衣」とは何ですか?

答:

いわゆる「三衣」とは、比丘自身が受持する事を決意した三つの袈裟で、それはすなわち、

1、「saṅghāṭi」(ダブル仕立ての外衣)。

2、「uttarāsaṅga」(上衣)

3、「antravāsaka」(下衣)

である。

10、

問:

台湾の冬は非常に寒いですが、比丘尊者方は、三枚の衣だけで、寒くはないのでしょうか?

答:

現代の南伝の比丘で、三衣だけで過ごす頭陀行を実践している比丘は、極めて少ない。

大多数の比丘は、多くの袈裟、毛布、シーツ、タオルを持っていて、それを防寒に使う事ができる。

頭陀行を実践している比丘が、もし、台湾で冬を過ごす場合、あなた方は、彼に頭陀行の内容・程度を聞いて、使用してもよい衣類があれば、供養して、福を修するとよい。

《律蔵》の記載によると、比丘が三衣だけを受持するのは、仏陀自ら決定した事である。

当時、仏陀は、寒季で雪の降るヴァイシャリーにいたが、三衣を羽織ると、寒く感じる事はなかった。

しかし、我々現代人は、体質が虚弱になっており、北部インドの冬は、寒く感じる事がある。

2000年来、三衣だけを受持する尊者方は多くいたが、彼らは多くの冬を、そうやって過ごしてきたのである。

(6-7につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-5

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

6、

問:

比丘は、女性と同宿してはいけない、というのはどういう意味でしょうか?

答:

いわゆる「同宿」とは、同一の、一つの屋根または、同一の出入り口を持つ建築物で、同一の時間において、横になる事を言う。

ただし、比丘と女性の同宿は、日没から黎明までの時間において、比丘と女性が、同一の時間に横になる事によって、初めて犯戒となる。

実際は、女性に限らず、その時間帯に、比丘は雌でありながら人間ではないもの、充分に淫欲の対象になり得る雌の動物とも、同宿してはならない(心堕落)。

7.

問:

前回、私が比丘尊者に、私と一緒に台北へ戻りましょうとお願いした所、比丘尊者は「比丘は女性と約束することはできない」と言いましたが、それはどういう事でしょうか?

答:

仏陀は、比丘は女性と同行する約束をしてはならない、と規定しているが故に(心堕落)。

比丘は、女性と同行する約束をすることができないが為に、あなた方が比丘に、あなた方の家に来て貰いたいと思う時、一人の男性を随行(+員)として、彼から、比丘に同行を願い出てもらい、同時に、彼に随行してもらうのがよい。

そのようであれば、比丘もあなたの家に行って、供養を受け、説法をすることができる。

8.

問:

前回、我々は、我々の車に乗ってもらうよう比丘尊者にお願いしましたが、比丘尊者は、私の母親と一緒に後部座席には乗れないと言うのですが、それはどうしてですか?

答:

仏陀は、比丘が女性と同じ長椅子、ベンチに座ってはならないと規定したが故に。

もし、次回、あなたの父親が車の運転をするのであれば、比丘尊者は、助手席に乗るようにすれば、比丘も困惑しないであろう。

(6-6につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

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「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-4

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

5.

問:聞く所によると、比丘尊者は、他に男性のいない場所で、比丘尊者が単独で、女性と同席してはならないというのは、本当ですか?

答:

その通り。

それ以上に、もう少し詳しい規定がある。

もし、男性がその場にいるとして、その男性は盲人ではない事、また6m以内にいる事;

男性がその場にいない場合、そして、そこにいるのは女性一人の場合、比丘は、この女性と同時に座ったり、横になったりする事はできない;

もし、二人または二人以上の女性がその場にいるとして、二人とも室内にいて、扉は開けてある状態で、網戸、カーテンも開いている状態であれば、同時に坐ることはできる。

比丘は、女性と同じ長椅子・ベンチに座る事はできない。

これ以外に、淫蕩語を判別できる能力を持つ男性がその場にいない時、比丘は、女性に六句を超える法を語ってはならない。

いわゆる「法」とは、註釈書では、三蔵と註釈書の内容を指し、かつパーリ語で語られたものを言う、としている。

故に、女性居士が、寺院にて聞法し、三帰依と五戒を受持したいと思う場合で、明らかに寺院に、比丘以外に男性がいない、という事を知っているならば、まずは、同席してもらえる男性を見つけて、同伴してもらうようにするのがよい。

(6-5につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」6-3

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

3.

問:

仏陀は、比丘が女性と話をする時には、何に注意をして、どのような内容を話すようにと、規定しましたか?

答:

仏陀は、貪染の心で、女性に粗悪な言葉、淫蕩な言葉、感情的・気を引く言葉、軽薄な言葉を使ってはならない、と規定した。

また、女性に対して、己の淫欲に奉仕する為、女性に対して己に供養する様に要求してなならない、と規定した(僧残余)。

また、仏陀は、比丘が女性と話をする時は、正念を保つべきであると、教誡した。

4、

問:

私の父親と母親は、五年前に離婚しました。父親は年老いたので、母親に戻って来て欲しいのですが、尊者、あなたが母親に父親の所に戻るよう説得して下さいませんか?

答:

仏陀は、比丘は仲人になってはいけないと規定した。

すでに離婚した夫婦を、元に戻すという事は、仲人をしたことになり、それは僧初余罪になる。

故に我々は、あなたの母親に、夫の所へ戻るよう、勧める事はできない。

(6-4につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

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