Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-96

大菩薩乗(二) (Mahābodhiyāna) 今夜、私は皆さんに、再度、大菩薩乗について、お話したい。 ここで私は、定義、特徴、作用、現起(=現象、結果)、近因と 省察という順序で、諸々の波羅蜜について、解説したいと思う。 一、布施波羅蜜 布施波羅蜜は、大…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-95

最も小さな間違いであっても、害があるという事を見通したならば、 あなたは、貪・瞋・痴を断ずる事に、勇猛果敢に、精進しなければ ならない。 小さな間違いなんて大したことはない、などと思ってはいけない。 というのも、どのような小さな悪業であっても…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-94

まず最初に、あなたには、仏陀に成りたいという極めて深い欲が、 必要だ。(+菩薩道の実践の)始まりの時、あなたはこの欲を 心の奥深くに隠しておかねばならず、他人に吐露してはいけない。 ただ、人間、男性、仏陀に見える等の、至上願を成就する8項の条…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-93

強烈な無貪の(+心の)傾向の故に、菩薩はそれと対立する、 利己心の危険を見通し、その為、布施の修習に努力する; 強烈な(+心における)持戒への傾倒のために、彼は無徳 の危険を見通し、その為、持戒の修習に努力する。 その他の波羅蜜についても、み…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-92

強烈な(+心における)出離の傾向のため、菩薩は、欲楽と在家生活 の危険を見通す;強烈な(+心における)隠居の傾向のため、 彼は集団的、社交的生活の危険を見通す;強烈な無貪、無瞋、無痴の 傾向のため、彼は貪・瞋・痴の危険を見通す;強烈な解脱指向…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-91

至上願、大悲心や方法善巧智の如くに、以下の四仏地もまた、 波羅蜜の根本的条件である: 一、精進(ussāha):これは、波羅蜜、捨離と善行を修習する 精進力の事である。 二、上智(ummaṅga):これはすなわち、方法善巧智。 三、決意(avatthāna):菩薩道…

是誰庵のひとやすみ~失敗は成功の元、なるか?

ひょんな事からタブレットを手に入れ、携帯電話として 使おうとしたけれど、このタブレット、電話通信機能がついて いない、という事が、電話通信付き格安simを購入してから判明。 このまま1500円/月、sim電話通信付の代金を払っていても仕方 ないし、ま、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-90

大悲心と方法善巧智~ 至上願と同じく、「大悲心」と「方法善巧智(=方便)」もまた、 波羅蜜の条件になる。 ここでは、方法善巧智とは、布施とその他の9種類の品徳を、 菩提資糧に転換する智慧、であると規定する。 大悲心と方法善巧智を具備した状況の下…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-89

三、四力: (一)内力:己の力にのみ頼り、かつ法に対する至高の敬意 (Dhamma gārava、すなわち、上述の第四縁)によって、 極度に正等正覚(三藐三菩提)に傾倒する。 彼は自力更生し、慙の心(悪をなす事への羞恥心)を備え、その 内力を運用し、菩薩と…

是誰庵のひとやすみ~梅雨の庭には白い花

九州地方に降っていた長雨が、本日ようやく上がりました (また降るかもしれないけれど)。 庭に出てみたら、新しくお花がちらほら咲いています。 バラは本体を疲れさせないため、グラジオラスは倒れていたので、 切って花瓶に飾ってみました。 両方とも白色…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-88

二、四因(近い、直接的な因): (一)偉人は、過去仏のために、増上行(adikāra)を実践する事を 通して、特別なる善業を具備しており、それを親依止(upanissaya) となした。 (二)彼は当然の如くに憐憫の性格を有し、衆生の苦しみを軽減する ために、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-87

一、四縁(比較的遠くにある要素): (一)菩薩道を修すると発願した偉人は、仏陀が神通を顕現するのを 実際に見た後、思う:「正等正覚は非凡な力を具備している。仏陀は それを証悟した後、このように超凡、美妙で、不可思議な力を持つよう になった。」 …

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-86

上で述べた(+No85 参照)第一番目の条件は、四無礙解智を証悟した その世で、成就しなければならない。 その他の四つの条件は、過去世において、すでに成就しておかねば ならない。 そういうことから、未だ菩薩になる前、彼は(+No85にある)残りの 四つの…