Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2022-02-26から1日間の記事一覧

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-12)(私家版)

阿羅漢聖者が資具を受用する、その形式は、主受用(sāmiparibhoga)という。というのも、彼は、すでに、貪欲の奴隷になって奴役させられる所の、枷・くびきから解放されており、主人の身分で以て、資具を受用する事ができるが故に。 阿羅漢はすでに諸々の漏…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-11)(私家版)

有学聖者が、資具を受用する、その形式は、嗣受用(dāyajjaparibhoga)と言う。 有学(sekkha)とは、通常、 入流聖者(sotāpanna)、 一来聖者(sakadāgāmi)、 不来聖者(anāgāmi) を指すが、この三種類の聖者は、尚、引き続き、修習と学びを継続しなけれ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-10)(私家版)

《相応部》義註の中において、以下の様に言う。 仏陀はかつて、《子肉喩経》を開示した時、比丘に対して、省察と思考を経ないで、四資具を使用するのは、重大な過患である事。この様な錯誤は、杜絶する必要がある事を、明確に告知した。 如来はまた、この件…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-9)(私家版)

省察と思考を経ないで、資具を受用する事は、小事ではなく、非常に重い過失である。 仏陀在世の時、サーマネラが鉢の中の食物を、如理に省察も思考もしないまま、貪婪に受用しているのを見て、仏陀は即刻、誡告を行った: ”もし、私(仏陀)が第五番目のパー…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-8)(私家版)

信施(信者による布施)は、功徳を求めて供養する訳であるが故に、僧人が、信施による四資具を受け取り、かつ使用しておきながら、その人に功徳を齎すことができないのであれば、これはまさに、貸し借りの一種であって、この人(僧人)は、未来の生において…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-7)(私家版)

省察と思考を経ないで、四資具を使用する事は、借受用(inaparibhoga)と言う。 四資具を受用する者の心に、雑染が生じない時にのみ、施主は、大きな利益を得る事ができる。 資具を受用しながら、雑染を生じない方法は、如理に省察し、思考する事である。 も…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-6)(私家版)

私は非常に幸運で、故に、この様なよい袈裟と食べ物を得ることができたとか、私は非常に幸運で、故に、この様なよい住居を得ることができたとか、この様なよい家具を使用しているとかの、この様な思考は、傲慢を引き寄せる; 己の物品を、他人が使うのを嫌い…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(15-5)(私家版)

具戒者も、四資具を使用する時には、省察と思考を行わねばならない。 飲食、布地等、誰でもが使う物品は、雑染を引き起こす。 たとえば、貪欲、傲慢と嫉妬。 この袈裟は美しいとか、布地は柔らかく高級であるとか、食物は美味しく、健康によいとか、住む場所…