南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-129

七、真実(=不妄語)波羅蜜

真実波羅蜜について言えば、それは大悲心と方法善巧智を

基礎として、真実だけを言い、言葉に信用がある事、である。

また、離心所、思心所に相当すると、分析する事もできる。

その特徴は、話す言葉において、誠実で嘘がない事。

作用は事実を明示する事:現起(=現象・結果)は聖潔、

美妙;近因は誠実。

真実波羅蜜に関して、以下のように省察しなければならない。

「真実がなければ、戒行等の美徳を擁する事が出来ない。

というのも、不真実(=妄語)は、根本的に、願による実践が

できない。真実を守らない時、一切の悪行も一緒についてくる。

時々刻々、事実を話さない人は、今生においてもまた、

他人の信任を受ける事はないし、一つ一つの未来の世においても、

彼の話を受け入れる人はいない。真実を具備した時初めて、

我々は、戒行等の美徳を育成する事ができる。

ただ、真実を基礎にして初めて、我々は、浄化ができ、

聖潔の美徳、例えば、波羅蜜、捨離と善行を、成就する事が

できる。故に、各種の現象に対して、真実を保つという状況の

下で初めて、我々は、波羅蜜、捨離と善行の作用を実行し、

菩薩行を成就する事ができるのである。」

(+ )(= )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)