Sayalay's Dhamma book

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パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-164

三種類の菩薩~

菩薩が最初の授記を受けるとき(たとえば、

スメダ隠士)、彼らは三種類の菩薩に

分類することができる:

一、敏知者菩薩(略して、智者菩薩);

二、広演知者菩薩;

三、所引導者菩薩。

三種類の菩薩の中で、もし、敏知者菩薩が、

授記を受けるその一世において、弟子菩

すなわち、阿羅漢になること)を証悟

するならば、彼には十分な善業があって、

仏陀が四行でできた偈の一首の、

その第三行をまだ読まない内に、六神通と

四無碍解智とともに、阿羅漢果を証悟する。

敏知者菩薩は、慧者菩薩とも言われ、

彼らは最も強力な智慧を有する。

もし、広演知者菩薩が、授記を受ける

その一世において、弟子菩提を証悟するな

らば、彼には十分な善業があって、

仏陀が四行でできた偈の一首の、その第四行

を読まない内に、六神通と四無碍解智と

ともに、阿羅漢果を証悟する

広演知者菩薩は、信者菩薩とも言われ、

彼らの智慧を中等である。

もし、所引導者菩薩が、授記を受けるその

世において、弟子菩提を証悟するならば、

彼には十分な善業があって、仏陀が四行で

できた偈の一首の、その第四行を読んだ

後に、六神通と四無碍解智とともに、

阿羅漢果を証悟する。

所引導知者菩薩は、精進者菩薩とも言われ、

彼らの智慧は、最も弱い。

以上の三種類の菩薩は、授記を受ける前の

無数の劫以前から、すでに心の中に菩薩道

を修習したいという決意を下している。

授記を受けた後、彼らは前に述べたように、

諸々の波羅蜜を円満成就し、決められた

期間に基づいて、仏果を証悟する。

仏果を前倒しに成就する事はできない~

稲は、必ず決まった時間を経過してのちに

しか開花し、結実し、成熟しない。

非常に勤勉に水やりをしたとしても、

稲は前倒しに開花したり、結実したり、

成熟したりはしない。

このことと同じく、各種の菩薩はどのような

方法を用いても、決まった期間の前に

仏果を証悟することはできない。

たとえ、毎日さらに強固な精進力でもって

波羅蜜と捨離と善行を修習しても、である。

これは、彼の智慧が未熟である時、

仏に成る条件もまた、不足しているから

である。

こうしたことから、我々は、決まった期間、

諸々の波羅蜜を実践して初めて、それらを

円満に到達させることができることを、

明確に知っておかなければならない。

波羅蜜は何の利益を齎すか?~

「波羅蜜は何の利益を齎すか?」という疑問

に対して、その答えは:

波羅蜜が齎す利益は、以下の18の場所に

生まれ変わらない事である。

一、生まれつきの視力障碍者

二、生まれつきの聴力障碍者

三、精神障碍者になる。

四、唖者に生まれる。

五、身体障碍者に生まれる。

六、野人に生まれる。

七、女性の奴隷の胎に生まれる。

八、頑固な邪信者になる。

九、変性者(男性から女性に変わること)

に生まれる。

十、五逆の悪業をなす者になる。

十一、ハンセン病になる。

十二、ウズラより小さい(+者に

生まれる)。

十三、「飢渇餓鬼」

(khuppipāsika peta)、

「焼渇餓鬼」

(nijjhāmatanhika peta)、

「起尸阿修羅」

(kālakañcika peta)

に生まれる。

十四、阿鼻地獄と「世界中間地獄」に

生まれる。

十五、他化自在天の魔王に生まれる。

十六、無想梵天界と浄居梵天界に生まれる。

十七、無色梵天界に生まれる。

十八、その他の世界に生まれる。

(+ )(= )訳者。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>