仏陀の時代、ある時、烏提那王は、沙馬瓦弟皇后に対して、
大変に憤っていた。
それで、皇后と彼女の500人の女官を一列に並ばせて、
彼自ら、毒の弓矢を持って、彼女らを射殺そうとした。
しかし、彼女たちは、静かに佇んで、国王に慈愛を散布した。
その時、国王は、弓矢で射る事ができないと感じたが、
しかしまた、その弓矢を手放す気力も、生じなかった。
彼は全身に震えを感じ、全身に汗をかき、よだれが口
から垂れ落ちた。
彼は突然、自分をコントロールできなくなったかの
ようだった。
その時、沙馬瓦弟皇后は訊ねた:
「大王、あなたは、疲れを感じてはいませんか?」
国王は答えた:
「親愛なる皇后、私は確かに非常に疲れた。
私の支えになってくれ」
皇后:
「いいですよ。大王。弓矢を地面に向けて下さい」
国王は言われた通りにした。
その後に、沙馬瓦弟は発願した:
「その矢が、発射されますように」
その時、矢は地面の下へと、発射された。
同じく、仏陀の時代、ある時、高級娼婦である西礼馬は、
仏陀の女性在家弟子である優多羅に、大いなる嫉妬を
感じていた。
そのため彼女は、火で熱く熱したバターを一杯入れた
杓子を持って、突然、優多羅の頭の上から掛けた。
しかし、当時、優多羅は、慈心ジャーナに入っていて、
全身が慈愛に包まれていたため、熱いバターの温度を
感じる事なく、その熱いバターは、まるで蓮の葉の上を
転げる水のように、彼女の身体から、転げ落ちて行った。
このように、仏陀や菩薩の慈愛に非常な威力が
あるだけではなく、弟子たちの慈愛もまた、
非常に威力を発する事のできるものなのである。
(= )(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)