Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)4-4

ある種の人々は、五箇条の戒を守ることの意義を理解できない。

そのため、我々は、”自分の身に引き比べて”五戒を守る必要性を、検討してみたいと思う。

たとえば、生命に対する尊重について、我々は、殺生をしてはいけない、という。

すべての生命を擁する生き物は、命を惜しみ、生きたいと願い、死にたくないと思っているからである;己自身が他人に傷つけられたり、殺害されたりしたくないのであるから、その他の衆生に暴力をふるったり、殺害したりしてよいことがあろうか?

まさに、己自身が、傷つけられたくないと思い、殺されたくないと思っているのであるならば、その他の衆生を傷つけたり、殺したりしてはいけないのである。

これが、生命に対する基本的な尊重である!

己自身は、己自身の擁する財物が盗まれたり、奪われたりすることのないようにと希望するのであるから、他人の財物も、盗んだり、奪われたりすることのないようにしなければならない。

己自身が、幸福な家庭を持ちたい、家庭が平和であるように、夫婦は仲睦まじくと願うならば、家庭の外で、乱れた男女関係を、結んではならない。

己自身が他人から騙されたくないし、己の話す言葉が、他人から信頼されるものであるようにと願うのであれば、言葉に信頼性がなくてはならず、言行一致でなければならず、嘘をついてはならず、人を騙してはならない。

人々は、たばこ、飲酒、麻薬の類の、金銭的な浪費と健康的損壊の害、ひいては、社会に害を及ぼすことをよく知っている。

お酒を飲むと、人々は理知を失い、酔えばどのような悪いこともしでかすことができる。

これらの娯楽的麻酔性飲料から離れて、精神、理性が、清らかに覚めているようにするのがよい。

なにはともあれ、一人の人間が、己の精神性を向上させ、己自身を完成させたいのであれば、まずは徳行が必要である。

品徳、戒行があれば、言語と行いの上において、他人を傷つけることがないし、社会に危害を加える行為を行う事もなく、違犯性煩悩の奴隷になることを避けることができる。

品徳を育成することは、違犯性煩悩を取り除くことができる。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(4-5につづく)

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<無憂比丘著「南伝仏教キホンのキ」中国語→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>