南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「顕正法眼」(翻訳文)~5-42

8-6-2-6 五根のバランス

これから、私は、安般念似相に専注する時、如何にして五根をバランスさせるのかを、説明する。

諸根のバランスを保持するという事は、信、精進、念、定、慧の五根をバランスするという事である。

もし、禅の修行者が、信の対象に対して、過大な信心(ここで言う、この対象とは、安般念業処の事である)がある時、信根による決定(勝解=理解、知ること)の作用が強すぎて、慧根が不鮮明になり、そのことで、残りの精進根、念根及び定根の力もまた弱くなる。

そうすると、精進根は相応する名法を策励させること、それらを似相において、作用させる事を保持することが出来なくなり;念根は、似相を憶念するという作用を確立することが出来なくなり;定根は、心を似相に安住させ、(+心を)散乱させないという作用を実行できなくなり;慧根もまた、似相を見通す(=透視する)作用を実行できなくなる。

というのも、慧根は、似相を知ることができなくなり、そのことで、信根を支えることができなくなり、そのため、信根もまた、弱くなってしまうのである。

この状況においては、諸法の自性(dhamma-sabhāva-vekkhaṇa)を省察する事を通して、または信根に注目しない事を通して、信根が強くなりすぎないようにする方式によって、信根を変化させるのが良い。

このことは、ヴァッカリ長老(Vakkali Thera)の例で、説明ができる。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-43につづく)

Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。

★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>