パオ・セヤドー講述「顕正法眼」(翻訳文)~5‐43
ヴァッカリ長老は、元々は、舎衛城にいた婆羅門で、三つのヴェーダに精通していた。
初めて仏陀を見たとき、彼は、長時間、飽きもせず仏陀を見続け、仏陀が行くところへは、どこへでも付いて行った。
更に仏陀に近づこうとして、彼は、出家して比丘になった。
食事の時と、沐浴の時以外のすべての時間において、彼は仏陀を想い続けた。
ある日、仏陀は彼に言った:
「もう十分だ、ヴァッカリ。
君はなぜ、この不浄なる身体を見たいのか?
慧眼で法(聖道、聖果と涅槃)を見る人は、私を見る;
私を見る者は、法を見る。
ヴァッカリ。
人は、法を見る事によって私を見、私を見ることによって、法を見るのだ。」
たとえこのようであっても、ヴァッカリ長老は、仏陀から離れようとはしなかった。
雨安居の最後の日、仏陀は彼に(+自分から)離れるように命じた。
彼は非常に傷心して、霊鷲山に行って、禅の修行をしたが、仏陀に対する過剰な信心によって、彼は、聖道智を証悟することができなかった。
仏陀は、彼に、五根をバランスする、特別な方法を教えた。
長老は、仏陀の教えた方法によって精進し、順序良く観禅の修行をしたため、阿羅漢果を証得したのである。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(5-44につづく)
Idaṃ me puññaṃ nibbānassa paccayo hotu。
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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>