「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)4-21
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
禅定は、彼女を、とある一つの出入口に、導いた。
ここでは、異なったエネルギーのフォースが、彼女の心を引き付け、彼女の注意を促した。
アチャン・マンは、かつて、これは近行定であり、このレベルの定は、異類の衆生の心霊のエネルギーに遭遇する事によって、彼女は、容易く傷つけられてしまう、と言って忠告した。
同時に、彼女に、彼女がこの出入口に入り込む前、必ず、しっかりと、己の心をコントロールできる能力を、身につけておかねばならない、とも言った。
メーチ・ケーウは、アチャン・マンの言葉をしっかりと胸に刻んではいたが、彼女の生まれつき、好奇心が強く冒険好きな性格によって、心は、誘惑に負けて、つい、探検に出かけてしまうのだった。
出入口を出た後に見る光景は、彼女を恐怖に陥れ、また夢中にもさせた。
身体のない、非常に大きな神識の群れが彼女を取り囲んだーーある者は叫び、ある者は泣きーー彼女に対して、彼らが過去において為した数々の悪業を、解消して欲しいと、哀訴した。
多くの顔と体がぴったりと彼らに吸い付いていたが、これらは過去世の命の残渣であり、それはまるで、いまだ終了していない旅程における、死の烙印のようであった。
この種の神識はすべて、彼らの住む暗黒なる一角を照らし、彼らに希望を与えて貰いたいが故に、彼女に憐憫を乞い、注目され、守ってもらいたい、と思っていた。
(4-22につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>