翻訳番外編~「偽比丘」の見分け方(2-4)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
●南伝の出家者は、托鉢の時、行儀(=行い)に対して、非常に注意を払わねばならない。
歩く時も、供養を受ける時も、視線を下に向ける。
歩く時はゆっくりと歩き、高い声で笑わない、身体を揺らさない、肩を揺らさない、頭を振らない、手を腰に当てない、頭を覆わない、俗人の家の周りを爪先立って歩かない、等である。
托鉢する時、南伝の出家者は、俗人に合掌したり、挨拶してはならないし、如何なる怪異な行動もとってはならない。
例えば、鉢を叩く、わざと咳をする、口の中で呪文、呪語を誦る。鐘や太鼓を叩く、鉢の中に物を入れ、それをゆすって音を出し、それでもって公衆の注意を引く等である。
同時に、公衆に ”まとわりついて” 布施を要求してはならない。南伝の出家者は、托鉢の時、ただ静かに公衆から己が見える所に立って、人々が供養してくれるのを、黙々と待たねばならない。
誰も食べ物を供養してくれない場合は、ゆったりとした足取りで、温和な気持ちで、そこを離れなければならない。
●真正なる南伝の出家者は、托鉢の時、決して人々に ”自己紹介” または ”自己推薦” などはしない。
更に多くの供養を得ようとして、施主に己の品徳、戒行または修行(+の内容)をひけらかしたりしない。
というのも、これらの行為は、出家者の出家生命に対して、厳重な脅威になるからである。
もし、出家者が、名誉と利益を得たいが為に、己はすでにある種の上人法(注1)、またはある種の神通を得ていると、嘘をついて宣揚するならば、彼は取り返しのつかない、救う事のできない断頭の戒を犯した事になり、即刻、袈裟を脱いで、還俗しなければならない上に、終生、再度出家して、南伝の比丘戒を受ける事はできなくなる。
(注1)上人法(uttarimanussadhamma:
過人法とも。常人の能力を超えた事とそれを証明する事。ジャーナ、解脱、定、等至、智見、修道、証果、煩悩の断滅、心が蓋を離れる、静かな所で楽しむ、を言う」
(2-5につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<「偽比丘の見分け方」中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>