<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
貪・瞋・痴の三毒の中で、仏陀はただ貪と痴だけが輪廻の根本だと述べている。どうして、瞋恚が含まれないのか?
我々は、アナーガミ聖者を検証してみよう。アナーガミの意味は、「不還」である。彼は徹底的に瞋恚と、欲界の貪を断ちきって、欲界には二度と戻ってこないのであるが、しかし、彼は梵天界に生まれる事には執着している。
故にアナーガミ聖者は、いまだ輪廻するのである。
この事から、輪廻の根本は、貪と瞋である事が分かる。
しかし、その場合でも痴が元凶である。
(+痴が)貪と瞋に行動を促すが故に、それは一切の不善の潜在的根なのである。
故に、最大の禍は痴なのである。
(1-9につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<『24縁発趣論』スシラ・サヤレー著 中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>