南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

★飛び入り翻訳~『24縁発趣論』12-3

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

五門心路の内の確定、または、意門心路の内の、意門転向と速行の間には、数々修習縁はない。

というのも、確定または意門転向と速行は、同一の種類の心ではないが故に;

最初の速行から第七番目の速行までには、数々修習縁が存在する;

最後の、第七番目の速行心と彼所縁(+に至る間に)にもまた、数々修習縁は存在しない。

意門心路を例にとると:

意ー速ー速ー速ー速ー速ー速ー速ー彼ー彼

【解説】上記表の、一番目の”意”は、意門転向(無因唯作心)で、次の”速”は、すべて速行心(業を造る心)である。

”彼”は彼所縁(異熟心)である。

意と速は、同じ種類の心ではないため、(+両者の間には)数々修習縁は存在しない。

一番目から七番目までの速行心(速)は、すべて数々修習縁が存在する。

最後、速から彼に至ると、(+両者の間の)心の性質が異なる為、数々修習縁は存在しない。

上述の通り、数々修習縁は、同じ種類の心の間にのみ発生するが、それはすなわち、速行心である。

また、善と善の(+間の)速行心にも、数々修習縁が存在するし、不善と不善の速行心にも、数々修習縁は存在する。

もし、あなたが、善心を何度も重複して続けるならば、善の力は、益々強大になり;

もし、不善心を重複して続けるならば、不善心の力は、益々強大になる。

たとえば、我々が、初めて布施をした時の嬉しさは、我々をして二回目の布施をしたいと思わせしめる。一回目の布施が、二回目の布施の心を強烈にするのである。

また、たとえば、初めてアビダンマを読んだ時、余り理解できないが、二回目で少し分かり、三回目でもう少し分かり、四回目ではっきりと理解する事が出来るようなものである。

これを数々修習縁と言う。

(12-4につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。ご協力、よろしくお願いいたします。

<『24縁発趣論』スシラ・サヤレー著 中国語版→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>