<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
参、断遍知
断遍知(pahāna-pariññā。「壊滅随観智」(bhaṅgañāṇa)から始まる観智):
妄想を捨断、捨棄する完璧な、かつ必要な智慧。
断遍知は、諸行の無常を観察する事を通して得られる智慧であり、三種類の常顛倒を断つ;
苦を観察する事を通して得る智慧によって、三種の楽顛倒を断つ;
諸法の無我を観察する事を通して、三種の我顛倒を断つ。
三種類の常顛倒(nicca-vippallāsas)
1、想常顛倒:
想(saññā)の錯誤によって、無常を常と見做すのを、常想と言う。
2、心常顛倒:
心(citta)の錯誤によって、無常を常と見做す。
3、見常顛倒:
見(diṭṭhi)の錯誤によって、無常を常と見做すのを、常見と言う。
三種類の楽顛倒(sukha-vippallāsas):
苦の観察を通して得た智慧によって、三種類の楽顛倒を断ずる。
1、想楽顛倒:
想の錯誤によって、苦を楽と見做すのを、楽想と言う。
2、心楽顛倒:
心の錯誤によって、苦を楽と見做す。
3、見楽顛倒:
見の錯誤によって、苦を楽と見做すのを、楽見と言う。
三種類の浄顛倒(subha-vippallāsas):
諸法無我の観察を通して得た智慧によって、三種類の浄顛倒を断つ。
1、想浄顛倒:
想の錯誤によって、不浄を浄と見做すのを、浄想と言う。
2、心浄顛倒:
心の錯誤によって、不浄を浄と見做す。
3、見浄顛倒:
見の錯誤によって、不浄を浄と見做すのを、浄見と言う。
三種類の我顛倒(atta-vippallāsas):
1、想我顛倒:
想の錯誤によって、無我を我と見做すのを、我想と言う。
2、心我顛倒:
心の錯誤によって、無我を我と見做す。
3、見我顛倒:
見の錯誤によって、無我を我と見做すのを、我見と言う。
(20-6につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)