<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(9)欲解脱智(Muñcitukamyatā ñāṇa):
これより以前に累積した所の、強くて力のある観智によって、この段階において、あなたは、五蘊に対する厭離の感覚が、更に強烈に強化されて、五蘊から解脱したいと思う。
(10)審察随観智(Paṭisaṅkhānupassanā ñāṇa):
諸々の蘊の無常・苦・無我を審察(=省察)する。
故に、観智は、以前よりもなお、更に深く、強くなる。
(11)行捨智(Saṅkhārupekkhā ñāṇa):
五蘊に対して、中捨を育成する。
あなたは、あなたの五蘊への見方が変化し、それらを畏怖したり、または良いと、思ったりはしない。
今はただ、中捨の心でもって、それらを遇する。
(12)随順智(Anuloma ñāṇa):
これは、遍作智の一種である。
五蘊の観智から、涅槃の観智へと、橋渡しとなる通路となる。
ひとたび、この種の観智が生起したならば、あなたは、最後の四種類の智もまた、必ずや、証得する事ができるであろうことを、意味する。
(13)種姓智の変更(Gotrabhu ñāṇa):
この種の観智は、涅槃を所縁として取る。
それは依然として世間智である。
というのも、それはあなたをして、凡夫(puthujjana)から、聖者(ariya)へと向かわせる過度的なものであるが故に。
この9種類の観智(5番目から13番目まで)は、vipassanā の第三段階であると言える。
最後の三種は、vipassanā の第四の段階であり、その内の前二種は、出世間智であり、最後の一種は、世間智である。
(10-1につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>