南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(12-4)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

五取蘊=名色(nāmarūpa):

名色とは、受・想・行蘊と色蘊の事を言う。また、五蘊すべてである、とも言える。

名色=受・想・行・色蘊:

《相応部・分別經》(Vibhaṅga Sutta)の中において、仏陀は、縁起の12の支分を、分析した。

”識の縁によりて名色あり”(viññāṇapaccayā nāmarūpaṃ)の一句について、彼は以下の様に解説して言う:

”比丘たちよ。

名色とは何か?

受(vedanā)、想(saññā)、思(cetanā)、触(phasso)、作意(manasikāro)、これを名(nāmaṃ)という。

四大種(cattāro ca mahābūtā)と四大種所造色(catunnañca mahābhūtānaṃ upādāyarūpaṃ)は、色(rūpaṃ)という。”

義註は解説して、受とは受蘊であり、想は想蘊であり、触、思、作意は行蘊を代表していると言う。というのも、この三種類の心所は、極めて微弱な心中のなかにさえも存在しているが故に(sabbadubbalesupi cittesu)。

複註では、これは眼、耳、鼻、舌、身の五識であると言う。五識の中においては、命と心もまた、住立しているものの(jīvitacittaṭṭhitiyo)、しかし、その作用(kiccaṃ)は思などより明確ではなく(na tathā pākaṭaṃ)、故に、聖典の中においては、後者のみ強調(uddhaṭā)されているのである。

(12-5につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>