南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

本雅難陀禅師アメリカ法話第一集-44(50/82)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

▲【定の種類と分類法】

二種類の定:近行定、安止定。

三種類の定:近行定、色界定、無色界定。

10種類の定:

初禅、二禅、三禅、四禅、四種類の色界定;

空無辺処、識無辺処、無所有処、非想非非想処、四種類の無色界定;

果定、滅尽定。

滅尽定は、方便的な言い方であって、滅尽定には定心はない。

というのも、滅尽定に入る時、すべての名法は滅し去って、「心生色」は生起しない。

・・・滅尽定に入ると、ただ「業生色」「食素生色」「時節生色」の三種類の色のみが生・滅するのみである。「心生色」はない。

「心」と「心所」が生起しないが故に。

果定は、涅槃を所縁として取るものであって、しかし、名色法の生・滅はある。四種類の色すべてが存在する。

・・・各種の定は、みな、異なる状態を保つ。

純観行者は、直接どれか一種類の近行定(仏随念、法随念、僧随念、32身分、死随念)から、色法の修行に転じる事ができる。

また、直接四大を修習して、近行定を得た後に、色法の修習に転じる事もできる。

Matika村長の母親の様に、32身分を修習して、近行定を得た後に、色法と名法の生・滅、無常・苦・無我の修習に転じて、五種類の神通を持つ、アナーガミになった。

32身分から近行定を得れば、直接観禅の修習に転じる事もできる。

上に述べた女性居士の様に、彼女は安般念を修習したのではなくて、32身分を修習して、最後には神通を擁する三道三果のアナーガミになったのである。

その後、彼女の保護の下にあった比丘たちは、同じ様に、32身分を修習して、観禅に転じた後、六神通を擁する四道四果の阿羅漢になった。

これは彼らが、過去世において、すでに「行捨智」まで修しており、円満な行捨智と四道四果に近い智慧を有していたからである。

▲【四種類の行捨智】

もうすぐ初道初果に近い(+禅修行者に)相応する行捨智、もうすぐ二道二果に近い、三道三果に近い、四道四果に近い(+禅修行者に)相応するは行捨智(がある)。

・・・これは、異なる道心から入る、という事である。

ソータパナまで修した人が、阿羅漢になるのは難しくない。

というのも、名色法、縁起法は、すでに明確に修されているが故に;

行住坐臥において、密集して名色法の生・滅無常・苦・無我の修習を保持するならば、多くの時を経ずして、阿羅漢になれる。

しかし、凡夫からソータパナに成るのは、非常に難しい。

必ず「五蘊結生」でなければならない。「四蘊結生」(無色界天)または「一蘊結生」(無想天)は不可である。

「初道」「初果」「二道」「二果」「三道」「三果」「四道」「四果」「四道心」(七種類の「出世間心」)の「四蘊結生」だけが、阿羅漢を証する事ができる。

止の修習には、40種類の方法がある。

観禅は、ただ二種類しかない。名、色法だけである。

観を修する為に、仏陀は《定經》の中において、特別に以下の様に述べている:

先に止を修しなければ、観の修習は成功しない。

定の有る者は、慧がある;定のない者は、慧がない。

故に、仏陀は《大念処経》の中の「身念処」において、先に「安般念」を紹介したのである。

(45につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。<翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>