翻訳『禅修指南』3‐59
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(八)風遍
触覚(=感触)または、視覚でもって、風遍の修行をする。
触覚を利用する修行方法は、以下の通り:
あなたは、窓または戸口から入って来て、身体に当たる風に注意を向け、かつ、それについて「風、風」と黙然する。
視覚を利用する修行方法は、以下の通り:
あなたは、風に吹かれている木の枝、または葉の移動に注目し、かつ、それについて「風、風」と黙然する。
風界の支持性、推進性などの特徴に、専注してはならず、ただ、風の概念にのみ、専注する事。
先に、その他の遍処でもって、禅定の修行をして、第四禅に到達しておき、その後に、禅定の光の支えのもと、外部の枝葉の移動を観察して、かつ、風の相を認識する:
取相は、熱いおかゆから噴き出る蒸気の様であり:
似相は静止して動かないものである。
(九)光明遍
光明遍の修行は、壁の隙間から入って来て、地上に映る光明の相に注目する事を通して、修行する事ができる;または、上方を見上げて、木の枝の隙間から見える空の光を利用してもよい。
もし、その様にするのが困難であれば、あなたは一個の陶罐を見つけて、その陶罐の内部に、火のついた蝋燭を立てるか、電燈をつける。
この陶罐を適当な場所に置いて、罐の口から洩れてくる光線を壁に当てる。その後に壁に映った円形の光明の相に「光、光」(+と注目する)。
(十)虚空遍
戸口、窓または鍵穴の空間を利用して、虚空遍の修行をする事ができる(限定虚空遍とも言う)。
もし、この方法が困難である場合、あなたは一つの木の板を用意する。
この板に8インチまたは一フィートの丸い穴をあける。
この板を手に持って、空に向かい、あなたはこの丸い穴を通して、天空を見る。
その時、樹木やその他の物体が見えない様にする事。
その後に、丸い穴の空間を見て「空、空(からっぽ)」と黙然する。
(3-60につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版
中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>