南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)4‐16

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

業処

修行者は、40種類の業処の中から、己の性行(性格と行い)に合致する業処を探し、得るべきでる。

《清浄道論・第三章・第103段》

《清浄道論》に記載される業処は、合計40種類である。《アビダルマの理論と実践》という一書の中に紹介されている、異なった性行(+の者)に適合する40種類の業処は、以下の通りである:

(訳者注:

からまでの日本語訳は、原文では表になっています。hatenaでは表を作成できませんので、訳者の発案により、多少加筆しながら、箇条書きとしました。)

★【40業処】

業処は七つのグループに分けることができる。

それは:

(1)十遍、(2)十不浄、(3)十念、(4)四梵住、(5)四無色、(6)食厭想、(7)四界分別観の、七つである。

(1)のグループは十遍といい、それは、地遍、水遍、火遍、風遍、青遍、黄遍、赤遍、白遍、限定虚空遍、光明遍の10である。

この十遍は、地遍、水遍、火遍、風遍、青遍、黄遍、赤遍、白遍、限定虚空遍、光明遍共、近行定、安止定(初禅、二禅、三禅、四禅)、似相において、有効・成立条件である。

適合する性格は、地遍、水遍、火遍、風遍は、一切の性格、青遍、黄遍、赤遍、白遍は瞋の性格、限定虚空遍、光明遍は一切の性格に適合する。

(2)のグループは十不浄といい、膨張相、青瘀相、膿爛相、断壊相、食残相、散乱相、斬斫離散相、血塗相、虫聚相、骸骨相、の10がある。

この十不浄はすべて、近行定、安止定の初禅、似相において有効である。

適合する性格は、膨張相、青瘀相、膿爛相、断壊相、食残相、散乱相、斬斫離散相、血塗相、虫聚相、骸骨相共、貪である。

(3)のグループは、十念といい、仏随念、法随念、僧随念、戒随念、捨随念、天随念、寂止随念、死随念、身至念、出入息念の10がある。

仏随念、法随念、僧随念、戒随念、捨随念、天随念、寂止随念、死随念においては、近行定のみ有効で、身至念においては、近行定、初禅、似相が有効で、出入息念においては、近行定、安止定(初禅、二禅、三禅、四禅)と似相が、有効・成立条件である。

適合する性格は、仏随念、法随念、僧随念、戒随念、捨随念、天随念は信で、寂止随念と死随念は覚で、身至念は貪、出入息念は尋/痴である。

(4)のグループは四梵住といい、慈梵住、悲梵住、喜梵住、捨梵住の4がある。

慈梵住、悲梵住、喜梵住は、近行定と安止定(初禅、二禅、三禅)が有効・成立条件で、捨梵住は近行定と第四禅が有効・成立条件である。

適合する性格は、慈梵住、悲梵住、喜梵住、捨梵住とも、瞋である。

(5)のグループは四無色といい、空無辺処、識無辺処、無所有処、非想非非想処の4である。

空無辺処、識無辺処、無所有処、非想非非想処は、共に近行定と第四禅が有効・成立条件である。

適合する性格は、空無辺処、識無辺処、無所有処、非想非非想処共に、一切である。

(6)のグループは、食厭想のみにおいて単体で、近行定において有効・成立条件である。

適合する性格は、貪である。

(7)のグループは、四界分別観のみにおいて単体で、近行定において有効・成立条件である。

適合する性格は、貪である。★

 

上記の文面から、異なる性行者は、異なる業処を修行するのがよい事が分かる。

しかしながら、《清浄道論》はまた、以下のようにも言う:

(4-17につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>