南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』8-50(150/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

彼所縁:

(P150、中段、表7-1にかかわる説明、略)

瞋(+恨)、瞋嫉、瞋慳、瞋後悔という、この四グループの中において、それぞれの精進とは、瞋恨、瞋嫉、瞋慳、瞋後悔を生起せしめる事を言う;

それぞれの欲とは、すなわち、瞋恨、瞋嫉、瞋慳、瞋後悔が生起する事を、希望する事を言う。

通常、彼所縁の受は、速行の受と同じであるが、しかし、この四グループの速行は、憂俱である。彼所縁に出現するのは、捨受である。というのも、彼所縁には、憂俱が存在しないが故に。

痴:

痴とは、所縁(眼浄色)を、常、楽、我及び浄と錯覚する事を言う。「彼の」眼浄色、「私の」眼浄色、等と錯覚する事。

無慙、無愧:貪見、貪慢、瞋、瞋嫉、瞋慳、瞋後悔、痴掉挙、疑等の悪法の生起に対して、羞恥もないし、恐れもない事。

修習の時、悪を造(ナ)す事をば、所縁とすれば、無慙、無愧は、生起する。

法所縁に属する、その他の、10種類の真実色法と、10種類の非真実色法を、所縁として取る、不善名法グループを、識別する。

《色所縁グループ不善名法を識別する方法》

色所縁を、目標に取る事によって、生起する所の、10種類の結(saṃyojana)については、すでに述べた。

10種類の結が生起する時、色所縁を目標に取る、眼門不善速行心路過程を、識別する。

次に、同じ様な方法を用いて、声(=音)、香、味、触所縁を目標とする、不善名法を、識別する。

以下に述べるのは、色所縁グループ貪見グループの、識別方法である。

先に、眼浄色と有分透明界(意門)の二者を、同時に識別する。

その後に、色聚の喜ばしい色彩を、所縁として、取る。

色所縁が、眼門と意門に、出現する時、当該の色所縁を目標に取る所の、眼門と意門心路過程は、生起する。

もし、その中の確定と、意門転向が、当該の色所縁を省察し、(1)常、(2)楽、(3)我または(4)浄と、確定するならば、これらは不如理作意であるが故に、貪見を主とする、不善速行心路過程が、生起する。

これらの不善名法は、すでに説明を終えた。

五門転向、眼識、受領、推度及び確定の中の、名法の数と、その構成と、善グループの名法とは、同じである。

善グループと、不善グループの間には、ただ速行の中の、名法の数に、差異があるだけである。

(表7-11:色所縁グループー不善速行心路過程~略)

 (8-51につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>