翻訳『禅修指南』8-51(155/520)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《声(=音、以下同様)所縁、香所縁、
味所縁、触所縁の四グループ》
これらのグループの、法の識別は、色所縁グループの法の識別と、類似している。
一つひとつのグループの、善グループ名法と、不善グループ名法を、識別する。
声所縁グループ:
耳浄色と有分透明界(意門)を同時に、識別する。
喜ばしいか、または喜ばしくない所の、声所縁を目標に取る。如理作意かまたは、不如理作意に従って、(+この時)善または、不善速行を擁する所の、耳門と意門心路過程は、生起する。
香所縁グループ:
鼻浄色と有分透明界(意門)を同時に識別する。
喜ばしいか、または喜ばしくない所の、色聚の匂いを、所縁の目標に取る。
味所縁グループ:
舌浄色と有分透明界(意門)を同時に、識別する。
喜ばしいか、または喜ばしくない所の、色聚の味を、所縁の目標に取る。
触所縁グループ:
身浄色と有分透明界(意門)を、同時に識別する。
喜ばしいか、または喜ばしくない所の、色聚の触を、所縁の目標に取る。
ここにおいて、逐一、地、水、風界の、この三種類の触所縁を所縁とする、善グループ名法と、不善グループ名法を、識別する。
ここにおいて言及したのは、色法を所縁として取る所の名法の、簡略的な識別法である。
詳細な識別法は:
たとえば、六処門と42身分(=42の身体部分)の中の、一つひとつ一種類毎の、色聚の地界を所縁とする、一種類毎の名法を、徹底的に識別するのである。
その他の色法を、所縁に取る名法もまた、斯くの如くに識別する。
(表7-12:六グループーー概略~略)
(表7-13:法所縁グループ(c)ー善グループ~略)
<表7-14:法所縁グループ(D)グループージャーナ名法>
1、安般念=初、第二、第三及び第四禅。
2、白骨観=初禅。
3、白遍=初、第二、第三及び第四禅。
4、慈心観=初、第二及び第三禅。
5、不浄観=初禅。
もし、不断に継続して、六グループの不善グループ名法のみを、識別し続けるならば、光は、暗くなる。故に、一つひとつのグループまたは、一つ毎の種類の、色所縁の名法を識別する時、善と不善グループの名法の、両方ともに、識別する様にする。
《名法全体を「名法」として識別する》
《清浄道論》(第18章)の中において、以下の様に言う:
’So sabbepi te arūpadhamma
namana lakkhaṇena ekato
katvā etaṁ nāmanti passati.’
ーー「(全体的に)その一切が、(所縁に)向かう相を擁する所の、非色法を取り、彼はそれらを『名』として観ずる。」
この教えに従えば、すべての名法を、全体的、一体的な「名法」として、識別しなければならない、という事である。
処門(āyatana dvāra)に基づいて、名法を識別する。
先に、一つひとつを見る。
例えば、識、触または受を見、その後に徐々に、識別する名法の数を、増やして行く。
明晰に、同時に、一つひとつの心識刹那の中の、すべての名法を、見ることが出来た時、名法を所縁に趣向させる、または向かわせる所の、所縁の相を所縁として取り、それらを全体、一体として:
「これは名法である」、または「名法、名法」
と識別する。
(訳者:表7-2 ~ 表7ー13は、構成が複雑なため、当ブログでは制作困難に付き、割愛しました。)
(8-52につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。 http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>