南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』9-20

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《煩悩輪転の三》

1、涅槃を証悟する事の出来る「比丘」が、存在していると錯覚するのは、無明である。

2、涅槃を証悟する事のできる比丘の生活を、渇愛するのは、愛である。

3、涅槃を証悟する事の出来る比丘の生活に、執取・執着するのは、取である。

これらの無明、愛、取は、煩悩輪転と言う。

それらは、それら三個だけで生起するという能力は持ち合わせておらず、必ず、相応する心と心所(たとえば、触、受、想、思、識等々)と共に、同時に生起する。

それらの多くは、貪見グループの、20個の名法である(もし、喜が無いならば、ただ 19個の名法となる)。

それはまた、有行または無行(sasaṅkhārika または asaṅkhārika)であり得る。

心路過程に基づいて、それらの多くは、意門転向及び、七個の速行において出現する。

彼所縁は、生起する事もあれば、生起しない事もある。

もし、人が、己が願望した結果、なり得た所の、比丘の名色法に執着するならば、彼所縁は、生起する。

それは以下の様に出現する:

1、意門転向:12個の名法がある(心と心所)。

2、一つひとつの速行心:多くは、20個の名法(貪見グループ)。

3、もし、彼所縁が生起したならば:12個の名法(喜俱の場合)。

これらの名法の中において:

1、受は受蘊である。

2、想は想蘊である。

3、その他の心所は、行蘊である。

4、識は識蘊である。

こうしたことから、これらの名法は、四個の名蘊がある事になる。

(これらの名法が依存する所の)心所依処、及び意門の中の、54の色法は色蘊である(非真実色法は、この中に含まれる)。

これらを連結したならば、以下の様になる:

1、意門転向において、五蘊がある。

2、一つひとつの速行心に五蘊がある。

3、一つひとつの彼所縁にも、五蘊がある。

註:各々の状況によって、彼所縁は大果報彼所縁、または無因不善果報彼所縁、または無因善果報彼所縁であったりする。

それらは、各々、34-33 等々として生起する。

ここでは、喜俱推度彼所縁のみ、言及した。

過去の因の中の、無明、愛、取(すなわち、行と業を取り囲む煩悩輪転)を識別する時、禅修行者は、究極法を知見するまで、これら五蘊を識別し、名と色の密集(ghana)を、看破しなければならない。

諸々の智の次第によると、(+上に述べた)これらは、名色分別智である(nāmarūpa-paricchedañāṇa)。

(9-21につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>