翻訳『禅修指南』9-43
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《速行の基因作意》
(Javana paṭipādaka namasikāra)
この五門心路過程の中の「確定刹那」において、喜または、不可喜(=喜ばしくない、以下同様の、所縁への作意が、「不如理作意」である時、「確定刹那」の後、不善速行は生起する。
次に、「確定刹那」が所縁に対して、喜ばしい、または喜ばしくない、常、楽、我または浄であると見做した場合は、真実の確定ではない。
これは、五門心路過程の前、多くの所縁を取り、かつ所縁を、喜ばしい、喜ばしくない、常、楽、我、または浄と確定する所の、意門心路過程の親依止縁の支援の下、当該の五門心路過程の中の、「確定刹那」もまた、所縁に対して、喜ばしい、喜ばしくない、常、楽、我、浄の様な状態を生起せしめるからである。
これは不如理作意であり、この不如理作意の縁に依存して、当該の五門心路過程の「確定刹那」の後、「不善速行」は生起する。
もし、反対に、色所縁に対する作意が、色所縁の「確定刹那」が、如理作意である時、この「確定刹那」の後、「善速行」は生起する。
しかし、この「確定刹那」は、真実の確定ではなく、ただ、確定の状態の様なものである。
故に「確定刹那」は、速行の基因作意(Javana paṭipādaka manasikāra、速行基礎因縁、作意所縁状態)と呼ばれる。
これは、Abhidhamma 註解の解釈である。
ここでは、先に、善速行(その基因は如理作意である)の因果関係の、識別方法を説明する。
(9-44につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>