<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
(三)逆縁起第一法(末端から始めへ)
ここでは、転倒した順序によって縁起を教える。
すなわち、末端の老死から一番前の無明までである。
逆縁起の順序とは:
1、老死。
2、生。
(上の二者は未来時に属する)
3、有。4、取。5、愛。6、受。7、触。
8、六処。9、名色。10、識。
(三から10までは、現在時に属する)
11、行。12、無明
(11と12は過去時に属する)
次に、もし、禅修行者が更に遠い未来世を識別したいのであれば、彼は以下の様に識別する事ができる:
老死と生は二番目の未来世に属する;
有、取、愛、受、触、六処、名色、識は、一番目の未来世に属する;
行と無明は今世に属する。
この様に因果関係を連貫させながら、最後の一個の未来世の因と果まで識別する。
次に、禅修行者は更に遠い過去の輪廻を識別する事ができる;
老死と生は今世に属する;
有、取、愛、受、触、六処、名色、識は一番目の前世に属する;
行と無明は二番目の前世に属する。
この方法に基づいて、禅修行者は、己自身の力の及び限り、更に遠くの過去世の因果を識別する。
これは三世の因果関係を連貫させる方法である。
すでに、随順縁起第一法に熟練した禅修行者ならば、この識別方法は決して難しくない。
識別方法の幾つかの例
智でもって、老死は生によって引き起こされる事を知見し、その次に以下の様に因果を識別する:
生が生起するが故に、老死が生起する;
生は因、老死は果。
次に、智でもって、業有が生を引き起こす事を知根した後、以下の様に因果を識別する:
業有が生起するが故に、生が生起する;
業有は因、生は果。
この様に逆の順序で、前の端の無明に至るまで識別する。
(四)逆縁起第二法(中から始めへ)
四食
この種の識別方法に関して、註釈では、《相応部・因縁品・食經》(Saṁyutta Pāli、Nidāna Vagga、Āhāra Sutta)から摘った一節がある。この経典の中において、仏陀は、中間の四食から前端の無明までの、逆縁起法を教えている、故に、ここにおいて、先に、四食に関しての説明をする。四食とは:
1、段食(kabalīkāra āhāra):荒いものでも、微細なものでも、この食は、一口大に丸めた後、食べていなくとも、食べた様に(+作用する)。(以下において再度説明する)。
2、触食(phassāhāra):所縁に接触する所の食。
3、意思食(manosañcetanāhāra):心を促す食。
4、意食(viññāṇāhāra):識知の食。
Vipākavaṭṭabhute paṭisandhipavattiphassādike
kammasamuṭṭhānañca ojaṁ sandhāya・・・
(《根本疏鈔》:《大疏鈔》)
以下の、果報輪転に属するものに関して、及び結生(paṭisandhi)と生起(pavatti)時に生起する所の四食とは、すなわち:
1、触食:果報識と相応する触。
2、意思食:果報識と相応する思。
3、識食:果報識。
4、段食:業等起色(kammasamutthāna rūpa)を含む、その中の業生食素(kammaja ojā)。
仏陀は以下の様に教える:
この四食は、愛をそれらの因縁としている(cattaro āhāra taṇhā nidāna)。
ここにおいて、了義教法(nītattha)に基づいて、それを果報輪転に属する四食とするが、しかし、もし、渇愛を根源としないのであれば、その他の非業生食(これは、親依止力によって輪転苦が不断に増長する様に支援する力、すなわち、煩悩輪転、業輪転及び果報輪転を不断に輪転せしめる事)もまた、生起することができない。
故に、愛(taṇhā)は因縁(nidāna)である、と言うのは適切である。
(11-4につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>