Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐19

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

10.12 二種類の食生色聚

1、食生純八法聚(āhāraja suddhaṭṭhaka kalāpa)。

2、色軽快性11法聚:

11種類の色法、すなわち八不離色に色軽快性、色柔軟性と色適業性を加えたもの。

この二種類の色聚は、六処門と多くの42身分に出現する。

一番目の色聚は、真実色法であり、観禅の目標となるに相応しいものである。

二番目のものは、八種類の真実色法に、三種類の非真実色法(色軽快性、色柔軟性と色適業性)を加えたものである。

八種類の真実色法は、観禅の目標となり得るが、しかし、三種類の非真実色法は、観禅の目標にはなり得ない。

この二種類の色聚は、有情の己自身の体内にあって、外部にあるとは、すなわちその他の有情の体内の事を言う。

10.13 三種類の音声

1、入出息心生声(=音、以下同様)九法聚:

入出息の音。

2、語表十法聚:話す時の音声。

3、時節生声九法聚:胃の中の音、風の音など。

この三種類の音声の中において、前の二種類は、命のあるものから出現し、三番目のものは、命のあるものとないものの二者から出現するが、その音声は、一切の、その前二種類において存在しない音声を含む。

語表十法聚の中の語表とは、非真実色法であり、観禅の目標にはなり得ない。入出息心生声九法聚と時節生声九法聚の中のすべての色法は、(+観禅の目標として)適合する。

10.14 四種類の相色の識別

受胎の時、及び胎内で成長する色法を見る事ができて初めて、色集積(upacaya)を見ることができる。

色相続(santati)、色老性(jaratā)と色無常性(aniccatā)とは、それぞれ、真実色法の生、住、滅の事である。

修行する時、に先に一粒の色聚を見て、その中の、八、九または十種類の色法を識別する。

その後、それらの真実色法が、共に生起し、住し、滅するのを観察する。

その後に、六処門のすべての真実色法と、42身分の中の真実色法の生、住、滅を同時に返照する。

ただし、すべての色聚が同時に生じ、住し、滅する訳ではない、すべての(+色聚が)みな同じ一つの段階に存在する訳でない(+が故に)。

10.15 諸々の色法を「色」と見做す

まず、一つひとつの処門の中の、54または44種類の真実色法を観察し、また、それらの非真実色法の観察にも尽力する。

同時に、一つひとつの処門の中の、すべての色法が、正に変化し、干渉を受けている相を観察する。その後に、それらを「色、色」または「これらは色である」または「これらは色法である」と観ずる。

42身分に関しても、同様の方法に基づいて識別する。

10.16 変化し、干渉を受ける相

諸々の色法の強度は変化する事を言う。たとえば熱いから冷たいへ、硬いから柔らかいへ、粗いから滑らかへ(+と変化する)。しかし、それらの自性相(特徴)は、以前と同じ、硬い、流動性、熱いまたは支持性であって、変更することはない。

熱い時、体内の色法の熱さは、忍耐の出来ないほど高くなる;

寒い時、その寒さは、同じく忍耐できない程である;

色聚の中の諸々の色の強度は不断に変化している、というのも、それらは不断に、相互に干渉し合うからである。

以下に簡潔に説明する:

一、いまだ色聚を見ていないならば、あなたは地、水、火、風の四界を照見して、近行定に到達するまで、定力を育成しなければならない。

二、色聚が見えたならば、一つひとつの種類の色聚毎に、すべての色法を識別しなければならない、たとえば:眼十法聚等、あなたはその中の地、水、火、風、色彩、匂い、味と食素(=栄養素、以下同様)と命根と眼浄色という、十種類の色法を識別する。

三、その後、引き続き、以下のものを識別する:一つひとつの処門の中のすべての色法、一つひとつの身分のすべての色法、六処門すべてのすべての色法、42身分すべての色法。それらがみな、変化・干渉を受けているという、その相を見たならば、それらを「色、色」または「色法、色法」または「これらは色、これらは色」と観ずる。

(6-20につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>