Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

老婆の独り言~自我の終焉

先日、水中運動を終えて、露天風呂で一服していた時、

顔見知りのおばさんが寄ってきて、

「私は我が強いから・・・直さなくてはねぇ」

と言います。

多分、私が坊主頭で、どこだかのお寺の尼僧である事を知っていて、僧侶の喜びそうな話題を提供してくれたのだと思いますが・・・。

我が強い、それを矯正する・・・ってどういう事なのか、私にはよく分からない所があります。

気が強い、頑固、出しゃばり、そんな性格は、人に恨みを買い易いので、少し大人しくした方がよい、という意味合いでしょうか?

仏教は、この様な仕方で自己否定を誘導する教えではない、と私は思っています。

心の働きの本質から言えば、他者との調和の為に我をひっこめればよい、という事ではなく(日本の同調圧力の強さと言ったら!)、心は、無常・苦・無我(または因縁生起、すなわち縁起)であるが故に、(その事に気が付いた者の)【自我は終焉する】のだと、私は思うのです。

若い頃、クリシュナムルティの『自我の終焉』という本の背表紙を見た時、私の心は、その題名だけでノックアウトされましたけれど(題名だけでノックアウトされた本はもう一冊、『不確定性の時代』)、新型コロナの為、海外にあるパオ系僧院へ修行に出られない今、クリシュナムルティをもう一度読んでみたいと思っています・・・若い頃の私には、クリシュナムルティは難しすぎましたので、要再読、要復習、という訳です。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>