「表1a:禅定心路」に関する説明
●禅定(jhāna)心路の順序:
1)意門転向心:禅修行業処の似相を所縁に取る。
2-4)予作、近行、随順という、この三つの予作速行は、同一の所縁を縁に取るが、それらの尋・伺・喜・楽・一境性は、普通の欲界心より更に強い。
それらの作用は、それぞれ、安止に入る為の準備であり、ジャーナ、随順の前の心、及びその後の種姓心に近い。(利根者には、予作心は生起しない)。
5)種姓心:微細な種姓(patittagotta)の欲界心から広大種姓(mahaggatagotta)に変化する時に指標となる色界または無色界ジャーナ心。
6)無数の安止速行心(名法saṅkhāra)は、同一の所縁を縁に取る;
一つ一つの速行心は、その後の速行心<注97>を強化する。
安止速行の数は、禅修行者の入定の時間と禅修行の良しあしによる。それは一秒にも満たない場合もあれば、一時間、幾日も持続する事もある。
すでに五自在に到達した禅修行者は、入定の前に、入定の時間の長短を決めることができる。
しかし、初めてジャーナを証得した初心者は、ただ一個の禅ジャーナ心しか生じない。
出世間果定の順序も同様である。<注98>
●欲界五門心路と意門心路の中の速行心は、皆同じであるが、しかし、禅定心路(色界と無色界のもの)の速行心は異なる。
禅定心路の中の第五速行は、実際には、ジャーナ心であり、一個だけではなく、億万個であり、かつ、それらは皆同じである。
もし、長時間入定するならば、第五速行の数は、数えきれない程になる。
●禅修行者は。己自身の希望(yathābhinīhāravasena)に応じて、ジャーナに進入することができる:禅修行者は、どの種類のジャーナに入るのかを決めることができる。
●もし、臨終心路までジャーナを維持できて、退失する事がないならば、ジャーナ善業は重善業となる。
(説明終了)