南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#18-4

「表1a:禅定心路」に関する説明

●禅定(jhāna)心路の順序:

1)意門転向心:禅修行業処の似相を所縁に取る。

2-4)予作、近行、随順という、この三つの予作速行は、同一の所縁を縁に取るが、それらの尋・伺・喜・楽・一境性は、普通の欲界心より更に強い。

それらの作用は、それぞれ、安止に入る為の準備であり、ジャーナ、随順の前の心、及びその後の種姓心に近い。(利根者には、予作心は生起しない)。

5)種姓心:微細な種姓(patittagotta)の欲界心から広大種姓(mahaggatagotta)に変化する時に指標となる色界または無色界ジャーナ心。

6)無数の安止速行心(名法saṅkhāra)は、同一の所縁を縁に取る;

一つ一つの速行心は、その後の速行心<注97>を強化する。

安止速行の数は、禅修行者の入定の時間と禅修行の良しあしによる。それは一秒にも満たない場合もあれば、一時間、幾日も持続する事もある。

すでに五自在に到達した禅修行者は、入定の前に、入定の時間の長短を決めることができる。

しかし、初めてジャーナを証得した初心者は、ただ一個の禅ジャーナ心しか生じない。

出世間果定の順序も同様である。<注98>

●欲界五門心路と意門心路の中の速行心は、皆同じであるが、しかし、禅定心路(色界と無色界のもの)の速行心は異なる。

禅定心路の中の第五速行は、実際には、ジャーナ心であり、一個だけではなく、億万個であり、かつ、それらは皆同じである。

もし、長時間入定するならば、第五速行の数は、数えきれない程になる。

●禅修行者は。己自身の希望(yathābhinīhāravasena)に応じて、ジャーナに進入することができる:禅修行者は、どの種類のジャーナに入るのかを決めることができる。

●もし、臨終心路までジャーナを維持できて、退失する事がないならば、ジャーナ善業は重善業となる。

(説明終了)

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>