南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(7-21)(私家版)

7、中捨性(tatramajjhattatā)

心の平衡、バランスを言う。

受蘊の中の「捨受」ではない。

中捨性の特徴は、心と心所を、バランスする事。

作用は、(心・心所の)過多または不足(の状態)を防止する、または偏向を除去する事。

現起(現象)は、心と心所を中捨的に傍観する事。

たとえば、御者が、安定して前進する二頭の馬を、中捨的に傍観するが如くである。

もし、二頭の馬の速度が同じである時、御者はただ、中捨的に、彼らが前進するのを、見ているだけでよい。

こっちの馬を制御してみたり、あっちの馬の手綱を緩めてみたりする必要はない。

四梵住に慈・悲・喜・捨があるが、その中の「捨」はこの「中捨性」を指すものである。

(7-22につづく)

<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>