彼所縁、パーリ語は「tadārammanaーーnの下点…以下同様」である。「ta」は、それ、の意。「ārammana」は所縁の意。彼所縁とは、それの所縁、と言う意味である。それの所縁とは、即ち速行心の所縁のことである。速行心の所縁を所縁として取る為、彼所縁、と呼ぶのである。。。。 欲界心路過程の中において、5門の目標が極めて大きな所縁である時、彼所縁は速行の段階の後に、2個の心識刹那を生起させる。所謂極めて大きな所縁とは、極めて体積が大きいのではなく、それの、心への衝撃力が非常に大きい事を言うのである。。 この種の状況の下で、彼所縁は生起する(事ができる)。もし(目標の)心への衝撃力が弱い時、彼所縁は生起しない。