Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(36ー4)(私家版)

彼女が笑い始めた時、もし、Tissa比丘が、己の心を業処においていないのであれば、彼の心の中に、貪欲が生まれたかも知れない。しかし、白骨観は内部も外部も観ずることが出来る。内観は己の白骨を観察し、外観は他人の白骨を観ずるのである。故に彼は笑い声を聞いた途端、すぐに外観で白骨を観察することに切り替えて、その結果、ただ女性の並んだ齒だけが見えて、姿形は見えなかった。歯もまた白骨観の一部分であり、故に、彼は即座に白骨を不浄として禅定に入った。禅定に入った後、出定し、彼は引き続き内部の名色の無常、苦、無我を観察して、その場で阿羅漢道果を証悟したのである。その時夫が妻を追いかけて来て、比丘に出会ったので、彼に尋ねた「尊者にお尋ねします。貴方は、女性を一人見かけませんでしたか?」尊者は答えて「私は、女性は見ませんでした。ただ、白骨が一体、通り過ぎました。」