Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(69ー8)(私家版)

4.風界                 風界は移動と圧力の元素である。特徴は支持(支え)。身体を真っ直ぐにして座ることが出来るのは、風の特徴:支持(支え)による。もし、風をしぼんだ風船に送り込んだならば、風船は膨らむ。膨張も又支持と圧力の要素である。中風の人は移動が困難であるが、それは風の作用が足りない故である。風は、その他の色法を移動させたり、活動させたりする事ができる。手を曲げられる事、これは風によって生じる。風の生起は、心が手を曲げたいと思う、その結果である。故に、四大もまた心によって生じているのである。あるものは業から生じ、あるものは心から生じる。風の現起は、一個の色法を帯動して、別の所に移す事。実は、この様な説明は正確ではない。色聚は生じるや否や即刻滅し去る為、ある所から別の所に移動する事はない。故に、風の現起とは、風は、それと相次いで生起した所の新しい色法の近くに、元の場所ではないか所に、生起せしめる事と、言い換えるべきである。もし、元の所において生起するならば、色法は動けなくなる。心が、動きたいと思う時、非常に多くの色聚を生じる。一粒毎の色聚の中には、一つの、風と呼ばれるものがあり、それが色法を、一つの場所からもう一つの場所まで、帯動するのである。風の近因は、その他の三界(地、水、火)である。風は、その他の三界に依存して、初めて役割を発揮出来る。身体内部の風で、最も顕著なのは以下の6個の部分である。