<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
11.2 28種類の色法
1~4。四大種(mahā bhūta)、すなわち:四界(四大)
1、地界(pathavī dhātu):
重地(gaupathavī):硬い、粗い、重い
軽地(lahupathavī):柔らかい、滑らか、軽い
2、水界(āpo dhātu):流動性、粘着性
3、火界(tejo dhātu):熱さ、冷たさ
4、風界(vāyo dhātu):支持性、推進性
5~9.五浄色(pasāda rūpa)
1、眼浄色(cakkhu pasāda)
2、耳浄色(sota pasāda)
3、鼻浄色(ghāna pasāda)
4、舌浄色(jivhā pasāda)
5、身浄色(kāya pasāda)
10~13。7境色(gocara rūpa):
1、色彩(vaṇṇa)
2、声(=音)(sadda)
3、香(gandha)
4、味(rasa)
5、触(phoṭṭhabba)(地、火、風)
地、火、風の三界は、触界を構成する。もし、それらを三境とするならば、合計7境色となる。28種類の色法を数える時、触は含まれない。というのも、触境色の地、火、風の三界は、すでに四界に列記されているが故に。
14,15。性根色(bhāva rūpa)二種類ある:
1、女根色(itthī bhāva rūpa)
2、男根色(puris bhāva rūpa)
一人ひとりは、その中の内の一つの性根色をのみ有する。女性は女根色のみ、男性は男根色のみを有する。性根色は全身に分布する。
16。心色(hadaya rūpa)
心色とは、意界と意識界が依存する所の色法であり、それらが安住する処であり、故に心所依処と呼ぶ。それは心臓の内部の血液の心色十法聚において、散じて置かれる。
17。命根色(jīvita rūpa、jīvitindriya)
この色法は全身に散布しており、それは業生色(kammaja rūpa)の生命を維持する。
18。食色(āhara rūpa)
段食(kabaḷinkāra āhara)は、食物の中の食素(ojā)である。一切の色聚の中においては、みな食素色(ojā rūpa)があるが、それはすなわち業生、心生及び時節生の色聚の中においても存在している。
それら食素は、それぞれ業生食素(kammaja ojā)、心生食素(cittaja ojā)、及び時節生食素(utuja ojā)と呼ばれる。
禅修行者が混乱しない様に、以下に説明する:
食物が消化されて後、その「食素」が産する所の食素八法聚の中の食素のみが、食生食素(āhāraja ojā)と呼ばれる。
言い換えれば、胃の中においていまだ消化されていない食物の食素は、時節生食素(utuja ojā)に過ぎない。
命根九法聚の消化の火を通して、すなわち火界の支援の下、食物は消化され、結果、新しい食素八法聚が生まれる。
これらの色聚は、食生食素八法聚と呼ばれるが、その中の食素は食生食素と呼ばれる。
上に述べた18種類の色法は、また、以下の様にも呼ばれる:
一、「自性色」(sabhāva rūpa)、それらの一つひとつは、自生相、すなわち硬さ、粗さなどを擁しているが故に。
二、「有相色」(salakkhaṇa rūpa)、それらはみな、一切の名色法における共相を擁しているが故に:
生・滅によって「無常」であり、生・滅の圧迫を受けるが故に、「苦」であり、永恒不変の実質を持たない、または(+それは)我ではないが故に、「無我」である。
三、「完成色」(nipphanna rūpa)、それらは業、または心、または時節、または食を因として、生起するが故に。
四、「色色」(rūparūpa、真実色)、それらの強度が不断い変化している、熱いから冷たいへ、硬いから柔らかいへ、などなど。
五、「思惟色」(sammasana rūpa)、観禅の目標として相応しいが故に、またそれらを無常・苦・無我として観照することができるが故に。
後に説明する所の、残り10種類の色法(19~28)と、上に述べた18種類の色法は、(+その性質が)反対であり、
一、無自性色(asabhāva rūpa);
二、無相色(alakkhaṇa rūpa);
三、非完成色(anipphanna rūpa);
五、非思惟色(asammasana rūpa)である。
19.制限色(pariccheda rūpa)、すなわち:空界(ākāsa dhāthu)
一つひとつの色法は、みな、その他の色法と一体に混ざり合う事がなく、其々に限界を持つ。この限界及び色聚(+と色聚)の間の空間を制限色と言う。
20、21.表色(viññatti rūpa)二種類ある:
1、身表(kāyaviññatti)、すなわちコミュニーションとしての身体動作。
2、語表(vacī viññatti)、すなわち、話をする時の動作。
他人が我々の考えを知ることができる動作を、表色と呼ぶ。身表は、身体の動作でもって、己自身の考えを表現する事を言う、たとえば人に向かって手招きするなど。
語表は、言語によって己自身の考えを表現する事、たとえば「ここに来てください」と人に呼びかける等。身表と語表は、心によって造られるが故に、それらは無生物(たとえば録音テープ)の中においては存在しない。唯一、有情の言葉の音と身体動作の中に存在する。
22~24。変化色(vikara rūpa)は五種類ある:
1、色軽快性(lahutā):心生、時節生、食生真実色の軽快性。
2、色柔軟性(mudutā):心生、時節生、食生真実色の柔軟性。
3、色適業性(kammaññatā):心生、時節生、食生真実色の適業性。
色軽快性、色柔軟性、色適業性の三色に、上に述べた身表と語表の二色を加え、合計五種類の変化色となる。
25~28。相色(lakkhaṇa rūpa)には四種類ある。
1、色集積(upacaya):
(a)その特徴は、一生のうちの初期の真実色の生起(upādā、生時)である。
(b)それは諸根を成長、完成させ、また、適当な色法を、充分な程度にまで(+のレベルに)到達せしめ、かつ、継続して成長せしめる。
2、色相続(santati):
諸根の完成から死亡までの間の、真実色の生起(生時)を「名相続」と呼ぶ。
色法の生起に関して、仏陀は一生を二つの時期に分けて指導している。一個は、妊娠から眼、耳等の諸根が完成する時期に生起する色法であり、もう一つは、諸根が完成した後に生起する色法である。
この二種類の色法は真実色法の生起であると言える。
3、色老性(jaratā):
真実色の成熟または老化、すなわち真実色の住時。
4、色無常性(aniccatā):
真実色の壊滅、すなわち壊滅時(bhaṅga)。
18種類の真実色に、10種類の非真実色を加えると、合計28種類になる。
その内、地、水、火、風は、界(dhātu)、または大種(mahā bhūta)または種色(bhūta rūpa)と言う。
その他24種類の色は、所造色(upādā rūpa)という、というのも、それらは四大界に依存して生起するが故に。
(6‐23につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>