Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(82ー5/6)(私家版)

5.四取(upādānā)            四種の取:(1)欲界取。(2)邪見取。(3)戒禁取。(4)我論取。。。   (1)欲取:欲楽に対する強烈な渇愛。しかし、諸々の注釈書では、対象は更に広範囲に、一切の世間の物に対する渇愛としている。(2)邪見取:道徳上、邪悪と見做される所の、どの様な見解にも執着する事。例えば、無作見(己がなしたどの様な行為も果報を生じないと言う考え)、断券(人が死ねば、全てが断滅して、何もかもが消えて無くなると言う考え。)などなど、又は、「世界は永恒である、又は永恒ではない」等の憶測。  これらの憶測は、修行に何らの役に立たない。我々は、断じなければならないのは、己の貪瞋痴であることを知っていれば良い。貪瞋痴が絶たれたならば、輪廻の苦痛から解き放たれる。その時、世界は永恒か、永恒でないかなどは、重要ではなくなる。これらを研究する事は、ちようど、毒矢に射られた人が、先に矢を抜くのではなく、この矢は誰が射たのか?どこの国で作られたのか?などと研究する事に似ている。これらは、己の苦痛を解決する為には、何らの役に立つ事はない。邪見取は多くの種類がある:無作見、断見、「人類以外の世界を知る人はいない、例えば、色界、無色界」と固執する。煩悩は浄化する事が出来る事を認めない、等。