Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~2-11

7覚支は、どのようにしてバランスするのか?

7覚支は、お互いに対立する二つのグループに分けることができる:

択法、精進、喜という3覚支が、一つ目のグループで、

軽安、定、捨という3覚支が、もう一つのグループである:

そして、念が、その真ん中にあって、両方のグループのバランスをとっている。

択法覚支とは、すなわち、善で巧みな方法によって、はっきりと息を知ることである;

精進覚とは、息を知覚することに努力することである;

喜覚支とは、息に対して興味と喜びを感ずることである。

心が、懈怠と昏沈(=眠気)の傾向を持つとき、正念は、即刻、それを察知しなければならないし、また、択法、精進、喜という、この3つの覚支を強化し、活発でない心をして、策励させなければならない。

軽安覚支とは、すなわち、内心において、ゆったりとくつろぎ、心地よくあるようにする:

定覚支は、すなわち、一心に息に専注し;

捨覚支とはすなわち、平等で中道の事を言い、憂えず喜ばず、得失に執着しないことを言う。

心の内に、掉挙または浮つきの傾向があるとき、正念は即刻それを察知して、軽安、定、捨というこの3覚支を強化し、余りに活発すぎる心を抑制しなければならない。

この二つのグループの覚支のバランスが取れたとき、心はちょうどよく調整された事になり、浮つきも、沈み込みもなくなり、安定的に前進することができるようになる。

正念がこのような状況を察知したなら、心を策励する必要も、抑制する必要もなく、ただ干渉しないで傍観するだけでよい。

このように5根と7覚支をバランスする時、5蓋を排除する事が出来、その時、定力は順調に向上する。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(2-12につづく)

筆者コメント:下線の、善で巧みな方法とは、息の四大を見ないこと、息の接触点を見ないこと、接触点の感受を見ないこと、息が色々な異なる状態にある事を知ること、時には有るような無いような息を知る事、等のことを言う。

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<パオ・セヤドー「顕正法蔵」2008年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>