Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』9-24

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《目標を変える》

死亡心(ただし、臨終速行心の前)の近くで出現する業は、ある時は、如理作意(yoniso manasikāra)不如理作意(ayoniso manasikāra)などなどを通して、変化する事がある。

以前、ある一人の比丘がいたが、彼は、ソーナ尊者(Ven. Soṇa 阿羅漢)の父親であった。

臨終の時、まず彼の心中に出現したのは、地獄の趣相であった。

(その後、彼は人に担がれて仏塔の前に行き、仏塔に花を献じた)その後、彼は、仏塔に花を献じた事をば、目標として、変更する事ができ、その上、一人の女性の天神の相も、出現した。

当該の比丘の出来事から、臨終の時の目標は、如理作意または、不如理作意に基づいて、変更する事ができる、ことが分かるのである。

目標の改変が原因で、禅修行者は、過去の因を追尋する時、臨終速行心の目標を見逃して、因業ではなく、先に、更にもっと前に生起した所の、助業を見つけるかもしれない。

この種の状況の下では、禅修行者は、先に助業(uppatthambhaka kamma)を見つけ、その後に、検査を通して、因業(janaka kamma)を見つけることになる。

もう一つは、臨終速行が未だ生起していない前、多くの目標が、出現する可能性がある。

臨終速行心の目標は、臨終速行心がいまだ生起する前に、出現する可能性がある。

如法居士(Upāsaka Dhammika)は、臨終の時、六ヶ所の天界から来た、六輌の馬車の相を見た。

如法居士は、この六輌の馬車の中から、兜率天から来た馬車を選んだ所、その後は、兜率天の馬車だけが、最後の臨終速行心に出現する様になった、という事である。

(9-25につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>