南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

是誰庵のひとやすみ~41>台湾一か月見聞録ーその3

読者の hari さんから、「北伝の比丘尼と南伝の

メーティラシン(又はsayalay)は共同生活を送れるのか?」

という疑問が出されましたので、私の今回の、台湾での

見聞を書いてみます。

勿論一か月間の見聞、群盲象を撫でるの感は否めず・・・

これが絶対だ!と主張している訳ではありませんが。

霧社の山頂で、2人の比丘尼さんと共同生活している

Zメーティは、2km離れた所に住む L比丘尼さん 

とも仲良しです(同居の2名の比丘尼さんはリトリートに

出かけていて留守で、お会いできませんでした)。

L比丘尼さんは70過ぎの人で、10歳の時に父親が亡くなり、

その後は母子離散、孤児同然に、冬はゴミ箱の中で寝てい

たというほど、苦労をしたそうです。

L比丘尼は、結婚せず養女を育てたけれど、その子が13歳で

出家、想う所あって、本人も続いて出家したのだそうです。

L比丘尼は念仏行者で、綺麗な声で念仏を称えて聞かせて

くれました(台湾は、禅宗の中に念仏行も含まれるようです)。

Zメーティも、L比丘尼も、霧社の山頂の精舎以外に、山を

下りた、魚池という町にもう一つ精舎を持っていますが、

その魚池では、ZメーティとL比丘尼の家は同じ敷地に

建っている隣同士、駐車場は共用です。

Zメーティは料理が上手、L比丘尼は苦手なので、

二人とも魚池に降りてきている場合は、いつも

Zメーティが多めに作って、L比丘尼を自宅に

招いて食べています(魚池では、おーい、と呼べば

聞こえる程の近さですからね。お米や食材は、

その時持っている方が出す、というルール。

どのみちお布施で貰ったものである故、私の

方が多く出したとかどうとかの争いはない、

みたいでした。仏教は吝嗇をきらいますしね)。

で、今回、台湾で聞いた話。

どこの宗教、宗派に属しているか?はそれほど大事な事で

はない。その人がよい人であるか、そうでないか?をよく

見なさい。キリスト教の中にもよい人がいて、悪い人もいる。

大乗の中にもよい人もいるし悪い人もいる、南伝も

またしかり。

どこかの宗教、宗派に属したのは、たまたまの縁。問題は、

修行によってその人の心が浄化されているかどうか。

それを観なさい、という事でした。

なるほど~、とちょっと感心した次第。