Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―26

精進は心で

当然の事だが、仏教の修行は、必ず仏間において礼拝したり、

念仏したりするべきだ、ということはない。

仏教における精進とは、24時間、己の起心動念(心の動き)に

注意を払い、心をして、苦痛や煩悩にはまりこまないようにし、

(二元的な)対立観念に陥ることなく、心をば、純真な、

赤子のような至誠の状態に保つようにすることだ。

これが本当の精進だ。

普通、人は皆、精進とは仏間、座禅堂において、念仏、礼拝を

することだと思っているが、なぜか、仏間から出たとたん、

他人の欠点を見つけて、不平不満を鳴らす。

仏間では、真剣に、大声を出して念仏するものだから、仏間を

出ても、その勢いで、大声で人と争っている。

将に「不増不減」であって、性格は少しも変わっていない。

三年ほど仏教を学んだ人で、自分の性格を治すどころか、却って

自信満々、何も怖いもの無し、自己を顧みる事がない(という人

がいる)。

こういう、学べば学ぶほど傲慢になる人は、我々もどうしょう

もない。本当の精進とは、己の心の上で行うものである、と

知るべきである。(つづく)

           (台湾高雄文殊講堂 慧律法師著 

            翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)