南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-114

出離波羅蜜についていえば、それは、大悲心と方法善巧智を基礎

とした出離心であり、それは欲楽と生命の不円満を了解した後、

生じる所の捨棄の心である。

その特徴は、欲楽と生命の捨棄であり;作用は欲楽と生命の不円満を

見通すことであり;現起(=現象、結果)は、欲楽と生命から遠く

離れることであり;近因は恐怖智である。

菩薩は、在家生活の欠点を省察しなければならない。

すなわち、それは妻子と子供達への責任と束縛であり、貪欲の道である、

などである。

反対に、比丘の生活の長所を、省察すること。

すなわち、天空のような広い自由、不必要な責任に束縛されない、

などである。

《中部・苦蘊経》では、以下のように言う。

我々は、欲楽の目標は、比較的多くの憂慮と悲痛を齎し、それは

決して楽しくはない、という事実をしっかりと覚えておく必要が

ある、と。

欲楽の目標を追求する時、熱い、冷たい、蚊、蠅、風、日照り、

爬虫類、ノミ、昆虫などがもたらす苦痛を、経験しなければならない。

欲楽を懸命に追及しながら、それに失敗した時にやってくる失望感、

傷心とイライラを、しっかり見極める事。

それらを獲得した後、それらが、五つの敵からの損害をうけないように

保護できるかどうかを心配し、憂慮せざるを得ない事を、認める事。

欲念によって悪を造した人は、今世において32種類の、深刻な果報に

直面するのを認める事。

来世において、四悪道に生まれた時に、極めて大きな恐怖を伴う

苦しみに出会うことを見極める事。

これが、出出離波羅蜜に対する省察である。

(+ )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語翻訳文責Pañña-adhika sayalay)