パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-114
出離波羅蜜についていえば、それは、大悲心と方法善巧智を基礎
とした出離心であり、それは欲楽と生命の不円満を了解した後、
生じる所の捨棄の心である。
その特徴は、欲楽と生命の捨棄であり;作用は欲楽と生命の不円満を
見通すことであり;現起(=現象、結果)は、欲楽と生命から遠く
離れることであり;近因は恐怖智である。
菩薩は、在家生活の欠点を省察しなければならない。
すなわち、それは妻子と子供達への責任と束縛であり、貪欲の道である、
などである。
反対に、比丘の生活の長所を、省察すること。
すなわち、天空のような広い自由、不必要な責任に束縛されない、
などである。
《中部・苦蘊経》では、以下のように言う。
我々は、欲楽の目標は、比較的多くの憂慮と悲痛を齎し、それは
決して楽しくはない、という事実をしっかりと覚えておく必要が
ある、と。
欲楽の目標を追求する時、熱い、冷たい、蚊、蠅、風、日照り、
爬虫類、ノミ、昆虫などがもたらす苦痛を、経験しなければならない。
欲楽を懸命に追及しながら、それに失敗した時にやってくる失望感、
傷心とイライラを、しっかり見極める事。
それらを獲得した後、それらが、五つの敵からの損害をうけないように
保護できるかどうかを心配し、憂慮せざるを得ない事を、認める事。
欲念によって悪を造した人は、今世において32種類の、深刻な果報に
直面するのを認める事。
来世において、四悪道に生まれた時に、極めて大きな恐怖を伴う
苦しみに出会うことを見極める事。
これが、出出離波羅蜜に対する省察である。
(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語翻訳文責Pañña-adhika sayalay)