パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~169-3
その後、あなたは、更に一歩進んで、真正な
観禅に取り組んで、名色及びそれらの因と縁が
無常・苦・無我であることを照見する。
このように修行する時、あなたは、暫定的に
煩悩を取り除くことができるが、これは
世間的な滅諦である。
観禅の心と同時に生起する心所の中、智慧
心所はすなわち正見である;
尋心所は正思惟であり;
精進心所は正精進であり;
念心所は、正念であり;
一境性心所は、まさに正定である。
また、禅の修習の時、あなたは、持戒が清浄
でなくてはならず、そうであるためには、
あなたは正語、正業と正命を具備しなければ
ならない。
あなたの修行が、生滅随観智のレベルまで
来たとき、(+あなたはあなたの)未来に
おいて、(+あなたが)阿羅漢果及び般涅槃を
証悟する状況を、見ることができる。
たとえば、あなたは、次の世で、20歳の時に
阿羅漢果を証悟するのを見るかもしれないし、
60歳で般涅槃を証悟するのを見るかも
しれない。
このように、あなたは、あなたが、20歳の時に
阿羅漢果を証悟するのを見たとき、すべての
煩悩は滅尽するのが見えるし、かつ、60歳で
般涅槃に入る時、すべての名色もまた滅尽
するのを見ることができる。
この種の滅尽もまた、世俗的な滅諦である。
あなたが、涅槃を対象とする道智を聖悟した
時、八聖道分のすべては、皆道心の中にあり:
涅槃を証悟するのは正見であり;
心を涅槃に投入するのは正思惟であり;
涅槃を憶念するのは正念であり;
涅槃の証悟に努力するのは正精進であり;
一心に涅槃に専注するのは正定である;
正語、正業、正命の三項の聖道分は、
それぞれ持戒の作用を有し、聖者は夢の中に
おいてさえ、五戒の内の一つでも、犯すことは
ない。これらは、出世間の八聖道分である。
須陀洹道を聖悟した後、最も多くても七回生死
すれば、最後の解脱を証悟することができる。
これが、出世間八聖道の利益である;
世間八聖道分の利益とはそれが、出世間
八聖道分の証悟へと、導くことにある。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。
(問1-4につづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>