南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

是誰庵のひとやすみ~回頭是岸

台湾のお寺に行くと、山門によく<回頭是岸>と書いた扁額が掲げられています。

<彼>という文字を足して<回頭是彼岸>と言えば、はは~、と納得される方も多いと思います。

仏教徒は、一応、涅槃(彼岸)を目指すというのが、基本のセオリーとなっています(無住涅槃と言って、涅槃によりも、娑婆にいて、人々を救う方が好き、という人もいて、それはそれぞれの方々の好みの問題で、まぁ、どちらでもいいのですが。なお、涅槃とは、心に煩悩のない状態の事を言い、娑婆で生きるにしても、役に立ちます)。

で、涅槃と言うと、何かとんでもない、宇宙の彼方、遠い遠い場所を目指して、修練の旅をするようなイメージですが・・・。

<回頭是岸>とは、実は、頭をめぐらして、後ろを振り返れば、そこが帰るべき岸辺だった、別に、苦難の旅に出ることもなかったワイ、という意味ですね。

また、たとえば、監獄へ入れられた囚人が、脱獄したくて、夜中に窓に架けられた鉄格子を密かに削っていて、ふと、後ろを見たら、自分が押しこめられた(と思っていた)入口のドアは、入って来た時と同じように、開いていた・・・という、そんなイメージ(入口は、出口でもあるという、パラドクス)。

ま、だからといって、修行しないでいい、という訳でもなく・・・、今日もコツコツ、安般念。