Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~機嫌よく生きる

もし、人に、

「あなたは何を目的に、それほど熱心に仏教を学ぶのですか?」

と聞かれたら、私は

「今生を、機嫌よく生きたいから」

と答えたいと思います。

私は子供の頃から仏教が好きでしたが、では一体、

【ゴータマ仏陀は何を教えたのか?】

という、仏教の教えの本質に関しては、(多くの大乗経典を読んではみたものの)分からない事の方が多かったです。

その為、30歳過ぎた頃から、原始仏教が温存されている、と言われる タイの森林寺院に勉強に行き、やがて緬甸のパオ・セヤドーの下で、止・観(サマタ・vipassanā)の修行をする様になりました。

先日、行きつけの温泉で出会った知人が

「来世なんてないと思う。人間、死んだら終わり」

と言いましたが、私は反論しませんでした。

輪廻について、

[絶対にある、と思う人]

[絶対にない、と思う人]

[よく分からない人]

という風に、三種類の人間がいると思いますが、お互い、議論しても水掛け論、時間の無駄だと思うからです。

勿論、私は「ある派」(注1)で、故に、今生を楽しく機嫌よく生き、来世も楽しく機嫌よく生き、いつの日にか、修行が円満成就した時、涅槃したい(涅槃を体験したい)・・・と思っています。

若い時、仏教の勉強は、強烈な好奇心から出発しましたが、70歳を過ぎた今は、己の心を整えて、今生を機嫌よく生きたい、というのが、仏教実践の主眼となりました。

臨終の時、微笑んでいられたら、我が人生に悔いなし、です。

(注1)頭で無理矢理、「ある」と考えたり、「あったらいいな」と妄想している訳ではなく、体験上、輪廻がある事を「知っている」派。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>