南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

☆「掌中の葉」(翻訳文)5-21

    <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

五蓋に対処する方策

五蓋に対処するには、善くて巧みな方法が必要である。

仏陀は≪中部・第20除妄念経≫の中で、我々に対して、以下のような、五つの方策を指導している。

比丘は、己の禅の修行の業処に対して、正念を打ち立て、貪欲、瞋恚または無明の、邪悪な不善心が生起した時、彼は以下のように、実践するべきである:

(一)業処の転換

彼は、生起した煩悩を対処できる、専門的な業処(上述・前頁参照)に転換して、五蓋に対処する。このように業処を転換した後においても、なお、不善心が継続して生起するならば、彼は以下のようにするべきである:

(二)五蓋の禍を思惟する

五蓋の生起を覚知した後、更に一歩進んで、五蓋の禍を思惟するのがよいが、それは、以下の記載する経文の如くである。

このようにすれば、心は五蓋に執着しなくなり、五蓋に対して二度と、不如理作意をしなくなる。そうすれば、五蓋は消失する。

≪沙門果経≫において、五蓋の描写と、それに関連する禍が記載されている。

1、貪欲蓋は負債の如くである

ある種の人々は借金をした後、お金を湯水のように使ってしまう。貸主が返済を要求する時、粗い言葉を投げつけ、悪語し、彼を捉えて打ち叩く。この時、彼は、己自身を保護する事ができないばかりでなく、これら一切を、忍従しなければならない。この債務とは、すなわち、彼が忍従しなければならない、それらの原因である。

同様に、もし一人の人が、他人に対して、貪欲を生じたならば、彼はその人に、強烈な執着が生じる。もし、その人が、彼に対して、粗い言葉を投げつけ、悪語し、彼を捉えて打ち叩くならば、彼はそのすべてを忍従しなければならない。その貪欲とは、すなわち、彼がそれらを忍従するべき原因である。

このように、貪欲とは債務であると見做すべきものである。

(5-22につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は

<菩提樹文庫>まで。ご協力、よろしくお願いいたします。

<「掌中の葉」(シッダッタ学院)中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>