Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2020-12-30から1日間の記事一覧

翻訳『親知実見』#10-2

しかしながら、もし、未だ覚悟(覚醒)していないのであれば、我々はただ、89種類の心の中の54種類の心と心所しか、識別できない。 すなわち、12不善心(akusalacitta) 17無因心(ahetukacitta)(未だ、阿拉漢の生笑心は識別する事はできない) 16欲界善心…

翻訳『親知実見』#10-1

第三節 第一聖諦を知見する 我々は、逐一、一つ一つの名法を知見しなければならない。また、五依処において生起する所の、二種類の識(双五識(dvepañcaviññāṇa))の一つを見なければならない: 1)善果報識(kusala-vipākaviññāṇa):すなわち、眼識、耳識…

翻訳『親知実見』#9-3

<注22>=依処:五種類の物質的依処は、すべて ”vatthu” または ”āyatana” と称する事ができる。 しかし、第六番目の物質的依処は、ただ ”vatthu” と呼ぶ、例えば ”hadayavatthu”は、すなわち、心処である。 「意処」(manāyatana)と呼ばれる所の第六処は…

翻訳『親知実見』#9-2

<注19>=別の角度から見ると、仏陀は縁起について解説する時、名色を六処(sālāyatana:六内処と六外処)と呼んでいる。彼の教導を総覧すると、仏陀は聴衆の意向と理解能力に基づいて説法をする為、各種の異なった方式で名色を解説している。それらは結局…

翻訳『親知実見』#9-1

<#9>シリーズは、 中国語原文[P 18~P 29]までの<脚注>の翻訳 <注12>=当該の緒論(序論)は、『親知実見』改訂版において増補された。 <注13>=未翻訳のパーリ術語は、(付録二 パーリ語術語解説)等を参照の事。 <注14>=経典略語と文献索引は…

翻訳『親知実見』#8-13

例えば、ある一つの色法所縁ーー例えば色彩ーーが眼門色法を衝撃する時、かつ、同時に意門(有分)を衝撃する時、即刻、一個の意識と眼識が生起するが、しかし、それらは所縁を「認知」する事はできないし、また、当該の所縁が色彩であるという事も知ること…

翻訳『親知実見』#8-12

まさに仏陀が述べるが如く、六根門の一つが、適切な(対応する所の)所縁に遭遇した時、心識は生起する。故に、合計六種類の識が存在する: 1)眼識(cakkhuviññāṇa) 2)耳識(sotaviññāṇa) 3)鼻識(ghānaviññāṇa) 4)舌識(jivhāviññṇa) 5)身識(kāya…

翻訳『親知実見』#8-11

色法所縁が相応する色法根門を衝撃する時、それらは、時を同じくして、意門(有分)<注24>をもまた、衝撃するーーすべての、その他の所縁は意門を衝撃するのである。 意門をのみ衝撃する所縁は、非名色、非世間的所縁を含む。故に、合計六種類の所縁がある…