第三節 第一聖諦を知見する
我々は、逐一、一つ一つの名法を知見しなければならない。また、五依処において生起する所の、二種類の識(双五識(dvepañcaviññāṇa))の一つを見なければならない:
1)善果報識(kusala-vipākaviññāṇa):すなわち、眼識、耳識、鼻識、舌識と身識の五種類。
2)不善果報識(akusala-vipākaviññāṇa):上と同じ眼識、耳識、鼻識、舌識と身識の五種類。
この10種類の識は、五依処に依存して生起する。其の他のすべての心識は、心処に依存して生起する。
合計89種類の心がある:
12不善心(akusalacitta):8貪根心、2瞋根心と2痴根心。
18無因心(ahetukacitta):上に述べた10種類の「双五識を含み、その他には二種類の領受心、三種類の推度心、及び五門転向心、意門転向心と阿拉漢生笑心。
24欲界美心(kāmasobhaṇacitta):すなわち、8種類の欲界善心、8種類の欲界果報心と阿拉漢の8種類の欲界唯作心。
15色界心(rūpavacaracitta):すなわち、5種類のジャーナ善心、5種類のジャーナ果報心と阿拉漢の5種類のジャーナ唯作心。
12無色界心(arūpavacaracitta):4種類の無色ジャーナ善心、4種類の無色ジャーナ果報心及び阿拉漢の4種類の無色ジャーナ唯作心。
八世間心(lokuttarācitta):すなわち、4種類の道心と四種類の果心。
以上が89種類の心である。
そのどれでも、一種類の心が生起する時、必ず若干の相応する心所が随伴して生起する;
心所の数は、合計52種類である。この様に、名法は、89種類の心と52の相応心所によって組成されており、故にそれらは皆、苦聖諦に属するのである<注29>。
<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>