Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)<実用アビダンマ>(35ー8)(私家版)

これは蓮の花であると知った後、心は、反応し始める。もしも、蓮の花が好きであるならば、貪根心が生起する。8種の貪根心の内の、その中の一種が、速行の段階において7回生・滅する。もし、蓮の花が嫌いであるならば、2個の瞋根心の内の一つが生起する。貪根心であっても、瞋根心であっても、ただ7回生起すれば、終息する訳ではない。というのも、一瞬の瞬きの内に、数十億個の心が、走り去るのであるが故に。我々は現在、心の速度をゆっくりスローにして説明しており、故に、貴方方は、一瞬の瞬きにおいて、数十億個の心が走り去るのを、想像して欲しい。     蓮の花を愛でる時間は、一瞬だけではなく、5分程はあるであろうか。数十億に5分を掛けると、数えきれないほどの貪根心が湧いて過ぎ去るのである。一つ一つの不善心は、不善果報を生じせしめる。不善心と善心は、業を造る心であり、一度業を造ったならば、我々の生命流の中において、業力を残す事になる。時期が熟せば、業力は果報を生み出す。もし、何事に対して貪欲を起こす、見るもの全てに貪欲、聞くもの全てに貪欲、匂うものに貪欲、味わうものにも貪欲、触るものにも貪欲である場合、生命流の中において、それが習気(習慣・気質)として残り、貪根心の強力に強い人間になってしまう。こうした事から、人々は、一つ一つの反応に細心の注意を払わなければならない。それは、業力として、残留するが故に。