<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
一年また一年と時は過ぎ、メーチ・ケーウは変化の急流ーー諸行無常の法則ーーが、アチャン・マンの色身の上に、降臨したのを見た。
彼の心は依然として、ダイヤモンドのような光芒を四方に放っていたが、しかし、彼の身体の老化は速かった。
メーチ・ケーウは彼と、心霊上の密接な関係を、保持した。
女性専門道場が、アチャン・マンの森林寺院と、如何に多くの高山と深い幽谷に隔てられていても、夜、禅修行していると、メーチ・ケーウはいつも、彼が傍にいるように感じた。
彼の威儀は、荘厳で光明に溢れ、病気であるとは思えなかった。
メーチ・ケーウが、彼の寺院を辞した、あの乾季の後暫くして、彼は重い病気に罹り、病状は急速に悪化した。
彼が夜、彼女に会いに来る目的は、変更された。
彼の声には一種の、強烈な切迫感があり、メーチ・ケーウに、早く私に会いに来るようにと、きっぱりと促した。
もし、来ないならば、もはや会う機会は、ないのだ、と。
彼が死ぬかもしれないと考えると、メーチ・ケーウは、震え上がった。
彼女は当然、世間の本質ーー生の本質;死の本質ーー及びそれらの不確定性を知ってはいたものの、しかし、彼女は、この件に関しては、躊躇して決める事ができず、ズルズルと時間だけが過ぎて行った。
何度も何度も、禅相の中で、アチャン・マンは、彼女にすぐに会いに来るようにと警告した。
しかし、彼女は心の中で、彼が健康を取り戻す事を願い、彼の病状が重くて、死んでしまう等という事を、受け入れることができなかった;
もしかしたら、彼女が一心に修行した為、彼が自分を観察しに来ているのかも知れない、とも思ったし;
また、彼女の怠惰から出たことかもしれないが;
どのような理由なのかは兎も角、彼女は遅々として、アチャン・マンに会いに行く事をしなかった。
時々、彼女は尼僧たちに、もう一度長旅をしなければならないと訴えることはあったが、出立の日にちを、決めることはなかった。
その結果、何度も何度も、警告を受けていたにも関わらず、アチャン・マンが逝去したその日、メーチ・ケーウは、卉晒村にいた。
(4-60につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>
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