<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
今回、彼女は完全にこの原則を守り、一心に ”ブーーッダ” と念ずることに、専注した。
念じ念じて、妄想が無くなると、意識流が心中の一点に集まって来た。
先ほど誓ったばかりの、誓願の強力な力によって、彼女は、覚知から身体が消失するまで、一点に専注し、その後、心は完全に静止して、動かなくなった。
深い定から少しばかり出て来ると、彼女は即刻、一つの禅相を見たが、それは仏法の兆しであった。
彼女は心眼を開けると、アチャン・マハブーワが鋭利な刃物を持って、彼女に近づいてくるのが見えた。彼は、彼女に刃先を向けると、今から、正確な観身の方法を教える、と宣言した。
次に、彼は、彼女の身体を、条理整然と一片づつに切断した。
彼は、鋭利な刃物でもって、一刀一刀、肉体を解剖し、どんどん細かく切っていった。
メーチ・ケーウは、目を見開いて、己の身体が分解されて、地面に落ちていくのを見て、驚いて茫然となった。
彼女は、アチャン・マハブーワが更に、各部分を細かく切り刻むのを見ていたが、最後に、地面が、肉と骨と筋で一杯になった。
彼は、メーチ・ケーウの内なる覚知に問うた:
”これのどの一片が人間か?
一片一片、手に取ってごらん。
どの一片が女性か?
どの一片が男性か?
どの一片が魅力的か?
どの一片が美しいか?”
この時、彼女の眼前には、血と肉が、乱雑に取り散らかり、悪心がした。
思えば、己は、長い間、それらを捉まえて放さなかったが、今この時に、非常に、気持ちが悪く感じられた。
彼女は引き続き、四方八方に散乱した残骸を見ていたが、最後には、何も残らなかった。
ちょうどこの時、彼女の心は、内部へと戻って行き、意識は明確に内側に向かって流れ、サマーディの根本へと戻って行った。そして、メーチ・ケーウという存在の中心へと集まり、後に残されたのは、単純で調和のとれた覚知の存在のみであった。
能知(=知るもの、知る能力)の核心は、精緻で微妙で、描写するのが難しく、それはただこのように知られるーー心霊の奥深い所に漲る、内在的覚知である、と。
(5-13につづく)
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>