「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)5-11
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
一日置いた日の早朝、メーチ・ケーウは朝食が済むと、作務を免除してもらい、即刻、茅葺小屋に戻って、急ぎ、座禅した。
己の覚知をしっかりと、心身の範囲内に結び付けるよう、己に要求した。
彼女は、心が外に、それが外部の現象であろうが、その他のものであろうが・・・向かうのを阻止する事を、決意した。
彼女は長い間何度も、亡霊、天人、各種の心霊の領域の衆生の間を往復したので、これらの境界は、彼女にとっては、すでに殊勝な意味を失っていた。
毎回の禅修行の時、すこしばかり注意力を集中して外に向けると、彼女はいつも、この種の衆生を見ることができた。
彼女がこれらの衆生を見るのは、普通の人が、肉眼で物を見るのと同じように、簡単であったが、しかし、この能力は、これまで一度も、彼女に如何なる真正な利益も齎したことはなく、あれら汚染された心の煩悩は、髪の毛一筋程も減少することはなかった。
ただ、内に向かって専注し、注意深く、意識の活動を観察した場合にだけ、心の汚染を見ることができ、それらの影響を、取り除くことができるのである。
(5-12につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、
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<原題「美琪喬ーー一位阿羅漢尼修道証果之道」 Dhammavamsa Publication
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>